セールス・マーケティングの傑作7冊|富を築き 成功を手にする 75の傑作

この記事は2015年に著者が発行したレポート「富を築き成功を手にする75の傑作」を改定したものです。

[speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]はい!前回に続いて「富を築き成功を手にする75の傑作」のセールス・マーケティング編![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]う゛~、小説ばかり読んでる私には興味がない分野だ~[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]いやいや。ここで紹介する7冊を読めば考えが変わりますよ。[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]なんでです?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]マーケティングって、物語なんですよ。一つの企業が栄えるまでのマーケティング本なんかは特に、最高のエキサイティングなノンフィクション小説です![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]マーケティングは物語!それは考えたことなかったですね~。じゃあとりあえず1冊くらいは読んでみようかな…[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]では、「セールス・マーケティングの傑作7冊」一気に行きましょう![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]よろしくお願いします![/speech_bubble]

セールス・マーケティング

セールスとマーケティングの知識はビジネスマンに限らず、生きていくうえで大きな価値があります。セールスマンだからマーケティングを知らなくていい、という話ではありません。また会計職だから、技術職だから、専業主婦だから、という話でもありません。人は生きる限り何かを売り込み、自分の人生をよりよくするためにマーケティングが必要なのです。 あなたがどんな役職、立場にいても、セールスとマーケティングの知識は、人生を豊かにしてくれるでしょう。 「人は例外なく、生まれながらにセールスマンである」

ハイパワーマーケティング|ジェイ・エイブラハム

[caption id="attachment_268" align="alignnone" width="339"]『ハイパワーマーケティング』ジェイ・エイブラハム 『ハイパワーマーケティング』ジェイ・エイブラハム[/caption] 全米No1コンサルタントのジェイ・エイブラハム氏の本で、マーケティング界ではバイブルと呼んでも過言ではないでしょう。この本から何も学ぶことがない、という人はいないと思います。顧客の獲得方法や維持、ダイレクトメールなどの利用、使えるシステムやセールスマンシップについて、この本一冊を深く読込めばほかの本を50冊読むのと同等の知識を得ることができます。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) シュガーマン,ジョセフ 全米屈指の宣伝、広告文の書き手であり、通販事業で伝説を作り上げたパイオニア。1971年、みずからの会社JS&Aで、グラフィック以上にコピーを重視した全面広告を用いた販売手法で大成功をおさめる。79年にはその年を代表する「ダイレクトマーケティングマン」に選ばれ、91年にはダイレクトマーケティングへの長年の功績に対して「マクスウェル・ザクハイム賞」を受賞した 金森/重樹 1970年生まれ。東大法学部卒。ビジネスプロデューサー。投資顧問業・有限会社金森実業代表。物件情報の提供から、融資付け、賃貸募集の支援まで行う会員組織「通販大家さん」を運営し、会員が億単位の資産形成をするのをサポート(会員数1万7000人)。読者数10万人のメールマガジン「回天の力学」の発行者として、マーケティング業界でも著名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

シュガーマンマーケティング30の法則|ジョセフ・シュガーマン

[caption id="attachment_305" align="alignnone" width="207"]シュガーマンのマーケティング30の法則|ジョセフ・シュガーマン シュガーマンマーケティング30の法則|ジョセフ・シュガーマン[/caption] マーケティングの本でありながら、短編小説のように楽しめるエキサイティングな本です。お客様があなたの商品を買うには必ず理由があります。その理由を引き出すための心の引き金(心理的トリガー)を30個も紹介されています。マーケティングの本でありながら心理学の専門書にも書いていないような深い洞察に基づいた心理的トリガーが数多くあります。どれをとっても、使うことで売り上げを2倍、3倍にできるほどパワフルな法則です。

メディア掲載レビューほか シュガーマンマーケティング30の法則 著者は米国のダイレクトマーケティングの世界で大きな成功を収めた人物だ。カタログ販売やテレビのショッピング番組で売り上げを左右するのは言葉の力だと言う。たった1つの表現、説明の順序、力点の置き方を工夫するだけでセールスの成績は劇的に上がると言い、そのノウハウを30のポイントに絞って明かす。また、通信販売のみならず、人的販売の現場でも応用できるように解説を加えていく。 手ごわい顧客の心を動かし、ついには購買を決めさせてしまう「心理的トリガー(引き金)」の存在を見極めろと指南する。“引き金”の1つが「一貫性の原理」だ。ある商品本体と付属品を売りたい場合、まずはシンプルに本体のみの購入を促せという。セットの価格には二の足を踏んでいた顧客も、本体を買うと決断した瞬間から一貫した購買行動を取ろうとする心理が働く。結果として「ついで買い」には寛容になると解説。また、商品に欠点がある場合は、最後に明かすのではなく、真っ先に伝えてしまうと案外納得してもらえると言う。 そのほか「顧客はまず商品を感覚で納得し、その後に理屈を求める」「その商品を既に所有する人々を魅力的に語って、『帰属欲求』を満たしてやれ」など、ユニークな助言が続く。 (日経ビジネス 2006/05/29 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)-- 日経BP企画 著者について シカゴ近郊出身。JS&Aグループ、ブルー・ブロッカー・コーポレーション、デルスター・パブリッシング会長。 マイアミ大学電気工学科に3年半在籍したあと、1962年に米陸軍に召集される。その後、ドイツに渡り、陸軍の諜報機関を経てCIAに勤務する経歴を持つ。 1971年、マイクロエレクトロニクスに将来性を見出し、世界初の電卓を販売する通販会社JS&Aを設立。紙面全面を使った広告は、グラフィック要素をほとんど使わずにテキストだけで埋めるという、当時では斬新な手法で業界の注目を集めた。また、電話からのクレジットカードによる注文を受ける際にフリーダイヤル・サービス「800ナンバー」をアメリカで初めて使用。その後、ほかの多くの通販会社が同様の受注方法を導入する。 1986年、販売の中心をエレクトロニクス商品から「ブルー・ブロッカー」ブランドのサングラスにシフトさせ、ダイレクトメール、通信販売広告、カタログ、テレビのインフォマーシャル番組、テレビショッピングチャンネル「QVC」を通じて販売。ブルー・ブロッカー・サングラスは世界中の媒体を通じて、2000万本超が売れている。 彼の功績により、ダイレクト・マーケティング・マン・オブ・ザ・イヤーに選出(1979年)、業界最高峰のマクスウェル・サックハイム賞(1991年)も受賞している。

USP| ロッサー・リーブス

[caption id="attachment_262" align="alignnone" width="339"]『USP』 ロッサー・リーブス 『USP』ロッサー・リーブス[/caption] 本書の原書は1961年に出版されています。USPとはビジネスにおいて最も重要な単語だと言われていますが、その言葉の提唱者がロッサーリーブスです。USPとは何なのか?どのように見出すのか?ビジネスにどう使うのか?その疑問に答えてくれます。広告を中心に書かれた本ですがビジネス全般に共通するものです。広告の本当の効果を見たとき、自分がいかに広告を誤解していたかに気づきました。

著者について ロッサー・リーブス Rosser Reeves 1910年ヴァージニア州ダンヴィル生まれ。 ヴァージニア大学で学んだ後、リッチモンド・タイムズ・ディスパッチ紙の記者を経て、コピーライターとしてテッド・ベイツに入社。 類い稀なる才能を発揮するとともに、USPの法則を編み出して、同社を小さな広告会社から世界第四位の大代理店へと成長させる。 その活躍で「広告の殿堂」入りも果たした。 本書は、約三〇年にわたる経験で得た広告哲学の集大成として執筆された。 広告業を引退後も、さまざまな団体の役員、大学の理事、企業の社長や会長、共同経営者などを歴任。 1984年没。

営業の神様| ジョー・ジラード

[caption id="attachment_261" align="alignnone" width="342"]『営業の神様』 ジョー・ジラード 『営業の神様』
ジョー・ジラード[/caption] ジョー・ジラードギネスブックにも乗っている世界一の営業マンで、自動車販売の世界では伝説になっている人です。彼は数多くの職を転々とし、莫大な借金を背負った状態で35歳でセールスマンとなりました。そこから3年後には全米No1になり、その座を12年間譲りませんでした。そんな彼が教えてくれることは営業で成功する方法というよりも、人生で成功するためのものです。ジョー・ジラードは大企業の経営者ではありません。雇われセールスマンです。しかし、だからこそ地に足の着いた、成功のための基本を教えてくれます。それが13のルールとして朝起きた瞬間から寝るまでのあなたの生活を素晴らしいものにしてくれます。

内容(「BOOK」データベースより) 成功に奇策なし。ギネス認定セールス記録12年連続世界No.1、伝説の営業マンが教える本当に大切な13のルール。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ジラード,ジョー 1928年、デトロイトの下町、貧しいイタリア移民の家に生まれる。8歳から靴磨きを始め、新聞配達、皿洗い、ストーブの組立工、住宅建築業など40余りの職を転々としたのち、35歳でミシガン州のシボレー販売店でセールスマンとなる。わずか3年で自動車販売台数米国トップにのぼりつめ、4年目以降、引退までの12年間「世界No.1のセールスマン」としてギネスブックに認定され、今なおその記録は破られていない。また、営業マンとして唯一、米国自動車殿堂入りを果たす

不変のマーケティング|神田昌典

[caption id="attachment_306" align="alignnone" width="347"]不変のマーケティング|神田昌典 不変のマーケティング|神田昌典[/caption] 神田昌典さんは日本にダイレクトレスポンスマーケティングを持ち込み、役人出身でありながら、個人商店から情報業界まで、ビジネスの常識を根底から覆した方です。そんな激動の時代で、自ら時代を動かしてきた彼が「不変」と言っているマーケティングメソッドです。本書の原稿は神田昌典さん自身が10年以上も前に書かれたものです。10年間温め続け、このマーケティングが「不変」であることを確信して出版されました。

●幻の原稿がついに書籍化 この本は、幻とされる「顧客獲得実践会ニュースレター」の中から、マーケティングに関する選りすぐりの解説&事例を抽出。今だからこそ必要な「不変」の原則をまとめたもの。 では、なぜネット全盛の今、10年以上前の原稿が本となって登場したのか? それには、著者自身がこう述べています。 「売上を手っ取り早く上げたいなら、デジタルがもっとも効率がいい。夏の最中にも、汗をかかずに、コンピュータ画面上の変わっていく数字を眺めるだけでいい。それに比べ、アナログは、実に効率が悪い。雪の降る中でも、チラシを1枚1枚配りに行く。ドアベルを鳴らせば、犬に吠えられるし、電話をかければ、ガチャンと切られる。ライバル会社からの嫌がらせ、理不尽な顧客のクレーム。そんな冷や汗の連続の果てに、顧客に喜んでいただいたときの笑顔……。その一連のプロセスを体験したものが積み重ねてきたメソッドは、はっきり申し上げて、『不変』だ。ビッグデータ時代がこようと、そこには人間の営みを身体に刻み込んできた、本質的な強みがある」

ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門|ダン・S・ケネディ

[caption id="attachment_307" align="alignnone" width="282"]ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門|ダン・S・ケネディ ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門|ダン・S・ケネディ[/caption] 本書ではマーケティングに関して浅く広く触れられています。タイトル通り入門編といった感じですが、マーケティングの全体像をとらえることができ、マーケティング歴の長い人にも学びがあります。個人経営のレストランの経営や小売業、税務関係などさまざまな職種における”現場の”マーケティングを解説されています。大金を投資しないとできない方法は一切ありません。もしもあなたがこれから何か始めるのであれば、読んでおいて損はないでしょう。

Rich Schefren インターネットビジネスマニフェスト完全版|リッチ・シェフレン

[caption id="attachment_308" align="alignnone" width="220"]Rich Schefren インターネットビジネスマニフェスト完全版|リッチ・シェフレン Rich Schefren インターネットビジネスマニフェスト完全版|リッチ・シェフレン[/caption] 現代において、インターネットを無視してビジネスを行うことはできないでしょう。インターネットビジネスとは何なのか? ビジネスでインターネットが使われるようになってかなりの時間がたちましたが、この質問に答えられる人は多くありません。彼自身はGoogleマイクロソフトなど世界的大企業に対してコンサルタントを請け負っています。しかし、本書で書かれていることは、きわめて基本的で小さな規模の話ばかりです。基本的な考え方、目標の持ち方、ビジネスの始め方など、全ての人にとって学びある書籍です。

リッチ・シェフレン: ストラテジック・プロフィッツ代表。米国のインターネットマーケターであり、Guru'sGuru(先生の中の先生)と呼ばれる。ビジネス戦略の構築を得意とし、世界トップレベルのマーケティング戦略は、自らのビジネスはもちろん、たくさんのクライアントのビジネスを成長させた。  ジェイ・エイブラハム、ダン・ケネディ、ジョン・カールトン、ジェフ・ポール、スティーブン・ピアース、ヤニク・シルバー、ジェフ・ウォーカー、アレックス・マンドーシアンなど、伝説的なマーケター達とパートナーシップを組み、いくつものプロジェクトを成功させている。ウォールストリートジャーナル、ABC,CBSNBCを含む主要なTVネットワークに登場している。近年はグーグル、ヤフー、マイクロソフトなど、大手インターネット関連企業へのコンサルティングも行い、他のマーケッターたちとは一線を画した存在となっている。

[speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]わぁ~難しそうな本がいっぱいですね~[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]何か読んでみたいありました?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]正直わからないです。でも、ノンフィクション小説みたいな面白さがあるやつは読んでみたいですね![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]それじゃあ、「シュガーマンマーケティング30の法則」がおすすめですよ!ところで、今日コンビニ行きました?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]何ですか急に?行きましたよ[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]アイスとか買ったりしてません?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]え?してないですよ[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]じゃあ、ガムとかレジ前のチョコとかは?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]あ、ガムは買いましたね[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]OK!シュガーマンマーケティング戦略にやられちゃいましたね![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]えぇ!どういうことですか!?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]それは本書を読んでのお楽しみです![/speech_bubble]

ライティング・スピーキングの傑作10冊|富を築き 成功を手にする 75の傑作

この記事は2015年に著者が発行したレポート「富を築き成功を手にする75の傑作」を改定したものです。

「富を築き成功を手にする75の傑作」について

[speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]「富を築き成功を手にする75の傑作」ってなんですか?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]僕が2015年に作った無料レポートの一つで、それまでに読んだ2000冊の中から、特に価値の高いと感じたものをピックアップしたものです。ベンジャミン・フランクリンの『知識に対する投資は、常に一番の利益を生み出す』という言葉に感銘を受けて、自分自身にとって大切な知識を確認するうえでも作りました。[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]2015年っていうと、結構古いレポートですよね?今回の改訂で新しい本とかも取り入れているんですか?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]いえ、あえてその当時のままです。今同じコンセプトでレポートを作ったら新しい本も加わるでしょうけど、ここで上げた75冊は家宝にしたいくらい大切なものなので。新しく価値のある本もたくさん出合いましたけど、ここにあげる本の価値が時間とともに下がるということはないですから[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]なるほど!どんなテーマの本がありますか?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]そりゃもう心理学からビジネス、ノウハウ本から小説、古典まで様々ですよ!当時の僕を形作ったものを全部上げるくらいの気持ちで作りましたから[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]とはいえ、30ページくらいのレポートを一つのブログ記事で紹介すると長すぎるので、テーマごとに分けて紹介していきます。 今回は「ライティング・スピーキングの傑作10選」です![/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]よろしくお願いします![/speech_bubble]

ライティング・スピーキング編

ライティングとスピーキングの能力は人生を向上させるうえで必須のスキルです。人間関係においても、ビジネスにおいても「書くこと」と「話すこと」は自分の意見を相手に伝えるもっともポピュラーな手段で、避けて通ることはできません。ここでは、単純なコミュニケーションとしてライティング・スピーキングから、相手を説得し、納得させ、行動させるための、深い心理学レベルのライティング・スピーキングに関する古今東西の名著を紹介します。

究極のセールスレター|ダン・ケネディ

[caption id="attachment_258" align="alignnone" width="350"]『究極のセールスレター』 ダン・S・ケネディ 『究極のセールスレター』
ダン・S・ケネディ[/caption] この本は、相手を説得し、あなたの考えを納得させるための文章の書き方を教えてくれます。セールスレター、つまり広告の文章ですが、企画書や報告書、レポートなどをさらに強力にするために使えるテクニックが数多く紹介されていいるので、普通に働いていても役立つヒントが見つかるでしょう。 セールスレターを書くためのステップが全部で28個あります。企画書などでは必要ないステップもありますが、このステップを意識するだけで、あなたの文章は飛躍的に説得力をもつパワフルなものになるでしょう。

●著者略歴 ダン・ケネディ 米国のダイレクト・マーケティング界のグル。 新進気鋭のベンチャーから、2億ドル級の売上げを誇る大企業トップまで約100の企業とコンサルタント契約を結んでいる。また、セールス、マーケティング自己啓発を中心に年間10万人以上を対象とする講演をこなし、熱烈な支持を得ている。著作活動でも、『サクセス・マガジン』『USAトゥデイ』『セリング・マガジン』をはじめ多くの新聞・雑誌の激賞を得るヒット作を数々放ってきた。芸能界、スポーツ界、メディア界、政界にまで及ぶ幅広い人脈を持ち、当代随一の人間通として知られる。 ウェブ・サイト「ダン・ケネディ・コム」は月10万を超えるアクセスを誇り、北米を中心とする数千人にニューズレターを配信中。それらの究極の成果ともいうべきものが本書である。 邦訳された著書に、『究極のマーケティングプラン』『大金持ちをランチに誘え!』(ともに東洋経済新報社、2007年)、『常識の壁をこえて』(阪急コミュニケーションズ、2005年)、『ビジネス版 悪魔の法則』(ティビーエス・ブリタニカ、1999年)などがある。 ●監訳者紹介 神田昌典 (かんだ まさのり) 上智大学国語学部卒。外務省経済局に勤務後、ニューヨーク大学経済学修士ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。その後、米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントに。現在、企業家教育、加速教育等の分野における複数の会社を経営するほか、ミュージカルのプロデュースや小説執筆でも活躍。 著書に、『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『お金と正義』(PHP研究所)、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則』『仕事のヒント』(フォレスト出版)等、多数。

10倍売る人の文章術|ジョセフ・シュガーマン

[caption id="attachment_267" align="alignnone" width="343"]『10倍売る人の文章術』ジョセフ・シュガーマン 『10倍売る人の文章術』ジョセフ・シュガーマン[/caption] こちらもセールスのための文章です。ほかのライティング本との大きな違いは、説得の心理学に関する洞察の深さです。本書の内容はジョセフ・シュガーマンが行ったセミナーに沿ったものです。数十万円のセミナーで教えられている内容が、すべて盛り込まれています。セミナーでも心理学のパートが特に盛り上がったようで、読んでいて楽しい部分です。実際に使われたレターをもとに解説されているので、理解のしやすく、あなたの仕事への応用も簡単だと思います。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) シュガーマン,ジョセフ 全米屈指の宣伝、広告文の書き手であり、通販事業で伝説を作り上げたパイオニア。1971年、みずからの会社JS&Aで、グラフィック以上にコピーを重視した全面広告を用いた販売手法で大成功をおさめる。79年にはその年を代表する「ダイレクトマーケティングマン」に選ばれ、91年にはダイレクトマーケティングへの長年の功績に対して「マクスウェル・ザクハイム賞」を受賞した 金森/重樹 1970年生まれ。東大法学部卒。ビジネスプロデューサー。投資顧問業・有限会社金森実業代表。物件情報の提供から、融資付け、賃貸募集の支援まで行う会員組織「通販大家さん」を運営し、会員が億単位の資産形成をするのをサポート(会員数1万7000人)。読者数10万人のメールマガジン「回天の力学」の発行者として、マーケティング業界でも著名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

伝説のコピーライティング実践バイブル|ロバート・コリアー

[caption id="attachment_296" align="alignnone" width="357"]伝説のコピーライティング実践バイブル―ロバート・コリアー 伝説のコピーライティング実践バイブル―ロバート・コリアー|史上最も売れる言葉を生み出した男の成功事例269[/caption] 2011年に出版されていますが、原書は1937年に書かれました。今から70年以上昔になりますが、本書の価値が薄れることはありません。この本はノウハウ本ではなく、ロバート・コリアーが実際に書いて結果を出してきたセールスレターがそのままのっている、実論に沿った啓発本です。70年前のアメリカと現代の日本では共通点よりも違いの方が多いので、ピンとこないところもあると思います。しかし、本書を読んであなたが「使える!」と感じたものがあれば、それは人種や時代、経済状況を超えて通用する不変のテクニックだということです。

内容(「BOOK」データベースより) 技術による社会変化の過程で人間関係が希薄化していくなか、コリアー氏のレターは温もりを伝え、人々のつながりをつくっていた。その結果、さまざまなビジネスが生み出され、立ち上がっていった。この「呼びかけの作法」を―自動車に代わってインターネットにより社会変化が加速している―現代に蘇らせたとき、それは「魔術」と言ってもいいほどの効果を持つだろう。魔術とは、決して大げさに言ったわけではない。本書に掲載されている事例を、興味本位でマネしてみただけで、あなたはその魔術を体験することになる。70年以上のときを超えて、そのまま使える文章には、笑いが出るほどだ。 【著者】ロバート・コリアー(1885~1950) アメリカでは、カーネギーやマーフィーと並び称される成功哲学の権威。ベストセラー『ザ・シークレット』(角川書店)中でも紹介されたアメリカの思想家、哲学者、コピーライター。 アメリカのほか、ドイツ、フランス、スペインなどで翻訳された本書の原書『The Robert Collier Letter Book』(1937年刊)は、70年以上読み継がれるロングセラーとなっている。 神学校に学び、聖職者となるよう教育を受けるが、自分の本当に歩むべき道を探すため、卒業後にウエスト・バージニアへ向かう。そこで鉱山の採掘師として働くうち、人生と人間性について目覚めるようになる。 ニューヨークへ渡り、おじの会社の宣伝部門に勤務し、人を動かすセールスコピーや説得術に才能を見せる。病気を患ったことがきっかけで心と身体の関係に興味を持ち、精神の力に注目。それを仕事やお金や人生のあらゆる問題に応用しようと本にまとめ、数々のベストセラーを出し続けた。 【監訳者】 神田昌典(Masanori Kanda) 株式会社ALMACREATIONS 代表取締役公益社団法人学び力育成協会創設者。上智大学国語学部卒。 外務省経済局に勤務後、ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士MBA)取得。その後、米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントに。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日 本一のマーケッター」に選出されている。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆に加え、ミュージカル、テレビ番組企画など、多岐にわたる創作活動を行うほか、複数企業の社主を務める。 著書に、『全脳思考』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『あなたの悩みが世界を救う!』(以上、ダイヤモンド社)、『成功者の告白』『人生の旋律』(以上、講談社)、『非常識な成功法則』(フォレスト出版)、監訳書に『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)等がある。

人を操る禁断の文章術|メンタリストDaiG

[caption id="attachment_297" align="alignnone" width="345"]人を操る禁断の文章術|メンタリストDaiGo 人を操る禁断の文章術|メンタリストDaiGo [/caption] メンタリストDaigoには非常に多くの著書があります。タレント的な印象もありますが、その実力は間違いなく本物。メンタリストだけでなく、より幅広い心理学やビジネスに通じています。本書の中で印象的な一文があり、「口ベタなら文章を学べ」と書かれています。セールス、ビジネスでの文章というよりもコミュニケーションのための内容なので、応用の幅は広いです。感情の揺さぶり方、名言っぽくする方法など面白いテクニックがたくさんあります。そしてDaigoさんはメンタリストとして人をコントロールする専門家なので、タイトル通り「人を操る」方法を教えてくれます。

内容紹介 メンタリストDaiGoの、人を上手に誘導するパフォーマンスを支えているのは、人間の心理的特性についての膨大な知識量と実践の量である。 本企画では、メンタリズムの得意とする「人心掌握」「大衆煽動」のエッセンスを文章に応用し、読み手の心を自在に操る「メンタリズム文章術」を大公開。 その文章術の軸となるのは、「読み手の見たい現実を見せてあげる」という、相手の心理を先回りした「想像力を刺激する」書き方のテクニックである。本書では、解説するテクニックに対して心理学の見地から裏付けの説明を随所に加える。 扱うテーマは、セールス、プレゼン、恋愛、依頼など、書き手の腕が求められるシーンを幅広く網羅。 また、人間の感情をゆさぶる7つ引き金(トリガー)と、今すぐ文章にそのまま応用できるテクニックを紹介。本書を読むことで、書くべき内容とその書き方が一目にわかるようになる。 著者について 人の心を読み、操る技術“メンタリズム"を駆使する日本唯一のメンタリスト。テレビ番組への出演多数。外資系企業の研修やコンサル、教育誌への連載なども手掛けている。 主な著書は、『自分を操る超集中力』『人を操る禁断の文章術』(共にかんき出版)、『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』(ダイヤモンド社)、『限りなく黒に近いグレーな心理術』(青春出版社)、『ポジティブ・チェンジ』(日本文芸社)ほか。著書累計で100万部を超える。

禁断のセールスコピーライティング|神田昌典

[caption id="attachment_256" align="alignnone" width="313"]『禁断のセールスコピーライティング』 神田昌典 『禁断のセールスコピーライティング』 神田昌典[/caption] 日本にダイレクトレスポンスマーケティングを持ち込んだトップマーケッターの神田昌典の著書。神田先生も非常に多くの本を書いているが、共通していることは、実例の多さです。マーケターとして、数々の中小企業とパートナーを組んで活動してきたため、引き出しの数が半端じゃありません。 本書を読めばダイレクトメール、チラシなどについて一通り学ぶことができます。実践された方の中には個人事業主で小売業をされている方もいて、手書きのチラシを作ったりなど、かなり地に足の着いた話を聞くことができます。個人から大企業までが利用できるノウハウにあふれています。

内容(「BOOK」データベースより) 本書で、身につけるのは単なる技術だけではなく―焼け野原に立っても、翌日から紙とペンだけで、立ち上がる力。文章ひとつで会社が儲かる、未来を変える大発見! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 神田/昌典 経営コンサルタント・作家。日本最大級の読書会『リード・フォー・アクション』発起人。上智大学国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。顧客獲得実践会を創設(現在は「次世代ビジネス実践会」へと発展)。1998年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「分かりやすい説明」の技術|藤沢晃治

[caption id="attachment_298" align="alignnone" width="326"]「分かりやすい説明」の技術|藤沢晃治 「分かりやすい説明」の技術|藤沢晃治[/caption] 藤沢晃治の「分かりやすい・・・」シリーズは何冊か紹介しますが、ビジネスマンならすべて読んで欲しい名著です。全部で15の説明術が紹介されていますが、プレゼンテーション、演説、セミナーなどどんな場でも使うことができる効果的なテクニックばかり。伝わる、理解される説明を心理学や脳の仕組みの観点から教えてくれます。非常に幅広い知識を学ぶことができます。ビジネス、プライベートにかかわらず、説明力があることは大きな強みになります。

著者からのコメント 会議で自分の意図をうまく述べられず、いつも損をしていると感じている人。恋人に自分の不満を十分に分かってもらえず、いつも欲求不満な人。部下に意図がうまく伝わらず、部下が思い通りに動いてくれずに困っている上司。お客様に説明するのがヘタで、お客様を誤解させたり、怒らせてしまうようなことが多い人。話し下手で友達の輪に入れない人。優秀なエンジニアなのに説明下手な人。分かりやすい授業ができなくて悩んでいる先生。本書は、そんな人たちに読んでもらいたい本です。説明責任の重要性が叫ばれる昨今、人に正確に意図を伝える説明技能は、仕事でも日常生活でも、私たちにとってますます欠かせない能力となってきています。 説明下手だった私の部下の一人に説明術のポイントをほんの3つほど助言しただけで、突然、プレゼンテーションが巧くなったという体験をしました。その部下の急成長ぶりには、私自身が驚いたほどでした。この体験が本書を執筆する動機でした。そうです、どんな説明下手な人でも説明の達人になれるのです。私自身が身につけてきた説明術のノウハウを本にまとめることは十分意義あることだと執筆に取りかかったのです。 説明上手になれば、周囲の人は、あなたの主張を「分かった」と言ってくれます。まるで周囲を希望通りに動かす魔法の杖を持ったも同然です。この魔法の杖があれば、大きな人生の支えになるでしょう。あなたも本書を読んで説明の達人になって、この人生の魔法の杖を手に入れてください。 著者について 慶応大学で管理工学を専攻。卒業後、現在は大手メーカーにソフトウェア・エンジニアとして勤務。専門分野で雑誌への寄稿、情報処理学会での講演などを多数こなし、その分かりやすいプレゼンテーションには定評がある。社会人になってから英語を独学し、英検一級、TOEIC900点、通訳ガイド国家資格、工業英検一級などを取得。(本書刊行時のデータです)

「分かりやすい文章」の技術|藤沢晃治

[caption id="attachment_299" align="alignnone" width="308"]「分かりやすい文章」の技術|藤沢晃治 「分かりやすい文章」の技術|藤沢晃治[/caption] 本書では文章に焦点を当てて、説得のための18のテクニックが紹介されています。セールス文章に焦点を当てているわけではありませんが、もちろんセールスにも使えます。メールの書き方や企画書、議事録など人に伝える文章の基本を完璧に学べます。脳の仕組みを中心に「分かりやすい文章」を書くテクニックをマスターできます。あなたも、文章に関するトラブル(誤解されたり)を経験したことがあると思います。この18のテクニックを使えば、もう文章のトラブルはなくなるでしょう。

著者からのコメント 本書は「目的を達成する文章」の書き方を紹介します。大きく分けると文章には芸術文と実務文の2種類があります。芸術文とは小説やエッセイなどで、実務文とは意見、研究成果、情報、連絡事項などを伝達する文章を指します。この本は実務文の書き方を紹介するもので、余韻の残る名文の書き方を紹介するものではありません。 実務文には常に、はっきりとした目的があります。たとえば、生命保険更新の案内文は、間違いなく更新手続きをとってもらうことが目的です。つまり、実務文での「分かりやすい文章」とは、書き手の意図を読み手に分かりやすく伝え、確実に「目的を達成する文章」のことです。そして、この最終目標を達成するための「分かりやすい文章」を書くことは、意外に簡単です。あなたがもし、今、「分かりやすい文章」を書けないとしても、その理由は文才がないからなどではなく、ちょっとしたコツを知らないからだけなのです。 普段、目にする文章の大部分が実務文であるにもかかわらず、国語教育で対象としているほとんどの文章は、なぜか芸術文ばかりです。巧みな心理描写や味わい深い芸術文を評価、鑑賞するような授業ばかりだったように感じます。必要な連絡事項をどうしたら確実に伝えることができるか、といった実務文教育を受けた記憶がありません。だから、わが国は、何が言いたいのか分からない文章であふれているのかも知れません。 したがって、この本はまず、早い時期に実務文の基礎を学んでもらいたい高校生をはじめ、文章術の本を初めて読むような読者を想定しています。また、ビジネスマンが机の上に置いてマニュアルとしても使える本を目指しました。ぜひ、辞書と一緒にこの本も手元に置いてください。「目的を達成する文章」を書く力が飛躍的に向上するはずです。

「分かりやすい表現」の技術|藤沢晃治

[caption id="attachment_300" align="alignnone" width="308"]「分かりやすい表現」の技術 藤沢晃治 「分かりやすい表現」の技術
藤沢晃治
[/caption] 本書も藤沢晃治の「分かりやすい」シリーズです。個人的には、ここで上げたシリーズ三冊の中で最も衝撃を受けたものです。本書では文章や説明だけでなく、図や表においても徹底的に誤解を防ぐためのテクニックを紹介されています。巷にあふれる分かりにくい表現は必ずここにある16のルールに反しています。誤解を徹底的に防ぐことで、私生活や仕事に限らず、あなたの人生はスムーズでストレスのないものに変わるでしょう。

著者からのコメント 短気な私は、世の中にあふれる「分かりにくい表現」にいつも腹を立てていました。機能豊富な新型電話機の取扱い説明書、道路標識、政党の主張、パソコンのマニュアル、お役所の様々な申請書類など、例をあげれば切りがありません。世の中には、なぜこんなに「分かりにくい表現」が氾濫しているのだろうと常々、考えてきました。一つだけ思い当たるふしがあります。世界に誇る品質管理技術で成功した我が国は、物品の品質管理にはうるさい国です。しかし、情報伝達の技術、つまり表現の品質管理には、これまで注意が払われたり、体系的手法が検討されることがなかったのではないでしょうか。 もし、取扱い説明書、カタログ、道路標識、広告、講演、放送などに係わる全ての情報発信者が表現の品質管理を身につけることができたなら、どんなに効率がよく、快適な社会になるのでは、と考えたのです。 もちろん、すでに、文章を書く人には「分かりやすい文章を書く技術」的なハウツー本があります。同様に、講演を行う人には、「分かりやすいプレゼンテーション」のためのハウツー本があります。また、マニュアルなど、取扱い説明書を分かりやすく書く技術も、それなりに確立しています。つまり業界ジャンル別には「分かりやすい表現」のノウハウがそれなりに蓄積しています。 こうした、業界別に蓄積してきた「分かりやすい表現」の技術にも、そのジャンルを超えた普遍的共通項があるはずです。そうした共通項から「分かりやすい表現」の純粋結晶を抽出できれば、表現の品質管理の重要なガイドライン(基準)になるでしょう。そこでそうした普遍的共通項を一冊のコンパクトな本に整理してみたいと思って書いたのがこの本です。

パブリックスピーキング|蔭山洋介

[caption id="attachment_301" align="alignnone" width="348"]パブリックスピーキング|蔭山洋介 パブリックスピーキング|蔭山洋介[/caption] パブリックスピーキングとはスピーチ、プレゼン、講演などに共通した話し方です。特にこの本では1対多のスピーチだけでなく、1対1のコミュニケーションについてもパブリックスピーキングとして考えています。この本の中では第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマの「Yes,We Can」で知られる名演説や、Appleスティーブ・ジョブズの伝説的プレゼンなど、数多く有名な例を挙げて解説されています。

内容紹介 なぜ、アップルの故ジョブズのプレゼンはあんなに説得力があったのか? なぜ、アメリカ大統領のオバマの演説はあんなにカッコイイのか? 「論理的に説明する技術」だけでは説明できない、パブリックスピーキング(プレゼンや演説など)で人を動かすための秘密を徹底解説。 プレゼン、スピーチ、講義をどう作っていいかわからない初心者から、ジョブズのように説得力のあるプレゼンをしたいリーダーまで、人前で話す機会のあるすべての人に必携の書。 著者について 蔭山洋介(かげやま・ようすけ) スピーチライター、パブリックスピーキング・コーチ、舞台演出家、スピーチ評論家。 1980年兵庫県生まれ。元・文学座演出家の故・荒川哲夫に師事。大学在籍中、音響物理学、音声学、心理学、脳科学を学び、大学院より米イリノイ大学へ派遣留学、Speech and Hearing Scienceと演劇を学ぶ。 現在、パブリックスピーキング(講演、スピーチ、プレゼン)を裏から支えるブレインとして活躍。大企業・外資系企業・中小ベンチャー企業の経営者や管理職や政治家、NPO 代表、青年会議所理事長などのリーダー層を主に、講演、記者会見、国際会議などのフォーマルなシーンから、朝礼や結婚式の祝辞などのプライベートシーンまで、幅広くパブリックスピーキングを支援している。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン|カーマイン・ガロ

[caption id="attachment_302" align="alignnone" width="192"]スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン|カーマイン・ガロ スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン|カーマイン・ガロ[/caption] Appleの故スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテクニックを解説した本です。Appleが世界的にこれほど広まったのは、技術力の高さやマーケティングの影響もありますが、何といっても第一にスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの影響でしょう。世界一のプレゼン能力を持つジョブズの言葉選びや演出、シナリオの作り方まですべてを知ることができます。

内容紹介 ■スティーブ・ジョブズのプレゼンの魅力を解き明かす! アップルCEOのスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、なぜあれほど人々を魅了し、熱狂させるのか―。本書は、iPhone発表時などスティーブ・ジョブズの伝説のプレゼンを紹介しながら、その秘密を詳しく解説していきます。 専門用語を使わない、ツイッターのように短い一文で製品やサービスを表わす、ポイントを3つにする、ヒーローと敵役を登場させる、ひたすら練習を積むなど、スティーブ・ジョブズのプレゼンの法則を解き明かします。すばらしいプレゼンができるようになります! ■スティーブ・ジョブズの名文句やスライドの数々を紹介! 本書では、プレゼンテーションでスティーブ・ジョブズが繰り出した名文句や魅力的なスライド、演出の数々を紹介しています。シンプルでわかりやすく、人の心をつかむスライドや言葉を一部は英語も交えて紹介しています。巻末には、本書に登場するスティーブ・ジョブズのプレゼン動画を見られるURLのリストを掲載しています。ぜひ、動画も合わせてご覧ください。 [名文句の例] 「今日、アップルは電話を再発明する」 「iPodはガムより小さくて軽いんだ」 「iPhone 3G。速度は2倍、価格は半分」 「マイクロソフトが抱えている問題はただひとつ。美的感覚がないことだ。足りないんじゃない。ないんだ」 「今までに売れたiPhoneは400万台。うれしいねえ。1日平均2万台のiPhoneが売れたことになる」

[speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]これが「富を築き 成功を手にする 75の傑作」のライティング・スピーキングの傑作10冊です!読んだことがあるやつもありました?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]え~っと、スティーブジョブズの本は読みましたね。Apple信者なものでとりあえず…[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]スティーブジョブズに関する本は面白いものが多いですからね。実用書やビジネス書って、役に立つことはもちろんですけど、面白い、読みやすいことも同じくらい重要だと思うんですよ。その点、スティーブジョブズの周囲にいた人はAppleの信念でもある「シンプルさ」をよく理解していたんだなって思いますね。[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]ほんと!読みやすいというか、ビジネスとか興味ない私でも面白く読めますね。この中から何か一冊、読むとしたら何がいいです?[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="L1" icon="723601.png" name="読書好きのバンドマン"]ん~。やっぱり藤沢晃治さんの「分かりやすい」シリーズかなあ。立場や磨きたいスキルに関わらず、絶対役に立ちますから[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="1037793.png" name="読書好きのシンガー"]じゃや、まずは「分かりやすい表現」の技術を読んでみます![/speech_bubble]

成功者の時間管理|1440分の使い方|ケビン・クルーズ

[caption id="attachment_279" align="alignnone" width="340"]1440分の使い方|ケビン・クルーズ 1440分の使い方-成功者たちの時間管理15の秘訣|ケビン・クルーズ[/caption]

時間管理の本はいくらでもあるけれど…

ケビン・クルーズの『1440分の使い方』は、タイトルからもわかる通り時間管理の本です。 1440分という数字は1日、24時間を分に置き換えた数字で、分単位の時間に対する意識を持つ意味を持っています。 時間管理の本はいくらでもあり、ビジネス、啓発の中では一大分野を形成しています。 出版されている本を見ればその時代のニーズがわかるといわれますが、それだけ時間に追われて生活している人が多いということでしょう。 この本の著者ケビン・クルーズはコンサルティング業を営み、年2冊の本を書き、世界中で講演し、新規事業や不動産投資の統括をしています。 それでいて、ストレスや多忙とは無縁だと公言しています。長い休暇をとり世界中を旅行し、週末はニューヨークで休み、16歳の娘の誕生日には数か国をめぐる壮大な旅に連れて行く。 大切なものに大切な時間をかけることで、家族も仕事もプライベートもすべて高いパフォーマンスを発揮している。 本書の帯にあるように7人の億万長者、239人の起業家、13人のオリンピック選手、29人のオールA(大学の成績の最高ランク)の学生への取材と調査、研究によって明らかにされた生産性向上の秘訣を教えてくれます。 読書やスポーツ、家族との団らんに使える「自由な時間」が毎日あと1時間手に入るとしたら? 『1440分の使い方』はその問いに答えてくれます。

1440の威力

「私は新しいプロジェクトを引き受けると決める前に、そのプロジェクトを分析する。自分の時間をどれくらい割くことになるか、金銭的な利益はどれくらい見込めるか、そして、1分あたりの利益も分析する。できれば一週間に100万ドルの利益が出るのが望ましい」 ケビン・ハリントン -インフォマーシャルの考案者、ベストセラー作家、テレビ番組「シャーク・タンク」初代出演投資家、アズ・シーン・オンTV創業者兼会長
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

1日は”1440分”です。 これは、億万長者でも、オリンピック選手でも、ハーバード大学の最優秀学生でも変わりません。 もちろん、テレビゲームをしている中学生や老人ホームで過ごす老人、病人やけが人、あらゆる人種性別、立場や政治状況、家庭環境でも変わることはありません。 当然、あなたと私にとっても、1日は1440分です。 人生において最も大切なものは”時間”だとケビン・クルーズは言います。 お金でも健康でも、家族でもなく、”時間”です。 お金は失っても取り戻せます。健康も多くの場合、リカバリーの可能性は残されています。家族を失っても、また新しい家族に恵まれることもあるでしょう。 しかし、時間だけは決して取り戻せません。時間を消費してしまったからといって、追加で手に入れたり、購入したり、レンタルしたりすることはできません。 そして、上でも述べたように、時間はすべての人に平等に与えられた唯一のものです。 お金持ちに生まれてくる人もいれば、貧乏に生まれてくる人もいますが、1日の時間が他の人より長いという人はいません。 だから、時間がなにより大切なのです。 もちろん、時間が大切であることは多くの人が認識しています。しかし、それを生活の中で実行しているかといわれると、ぐっと数は減ります。 お金を使うときにネットで調査したり、複数の店に足を運んで、一番安いものを探すことはあるでしょう。しかし、その間に失ってしまった時間に対しては無頓着です。 きちんと貯蓄をしている人は頻繁に口座を確認したり、持っている株の価値を確認し、着実に資産を増やしていくでしょう。しかし、講座確認のために失った時間を適切に評価しているでしょうか。 財布をそこらへんに放置することは絶対にないのに、人から「ちょっといいですか」と声をかけられて30分相談にのってしまう。 時間は最も大切で、取り換えしか聞かない貴重品だというのに、日々の生活でそれを意識する機会は多くありません。 だから”1440”なのです。今、あなたが何かをするために使った時間は、他のことに使えた時間で、もう二度と使えない時間です。 この記事を読むのに約3分。 私はその3分があなたにとって価値があるよう全力で書きます。 しかし、あなたが3分間他の事をしたほうが価値が高いなら、読むことは時間の無駄になるかもしれません。 朝目が覚めた瞬間から”1440”の数字は減っていきます。 今からカウントしても、この記事を読み終わるころには”1437”になっています。 歯を磨いて顔を洗ったら…”1427”です。 コンビニで週刊誌を立ち読みし終わるころには…”1397”です。 珍しく電話がかかってきた友人と長話してしまったら…”1277”です。 あなたに与えられた時間は有限で、何かをするたびに減っていることを意識してください。 どんな手を使おうが、このカウントダウンが止まったり、ゆっくりになったりすることはありません。楽しい時間も、苦しい時間も、「暇だな」とつぶやいている時間も、同じように進んでいきます。 朝起きた瞬間から”1440”のカウントダウンを始めましょう。それだけで、時間に対する意識は大きく変わります。

秘訣① 時間は、最も貴重かつ最も希少な資源

適切な優先順位の重要性

優先順位は、時間管理とともに語られることの多いコンセプトです。 「二兎追う者は一兎も得ず」ことわざ 「同時に二つのことをやるのは、どちらもやらないのと同じである」プブリウス・シルス 「最も重要なことを、他の些末なことの犠牲にするな」オグ・マンディーノ 「『効率』とは物事を正しく行うこと。『有効性』とは、正しいことを行うこと」ピーター・ドラッガー このように、優先順位にまつわる名言やことわざは古くから多く、それだけ重要なテーマということです。 ミズーリ大学のテレーズ教授は、時間管理、生産性、ストレスに関する調査を行い、それらを大きく左右する二つの要因を見つけました。 それが「優先順位」と「仕組み(時間管理のテクニックやツール、戦術など)」です。つまり、”何に”、”どのように”時間を使うか、ということです。 ケビン・クルーズはこれを最も重要なタスク=MIT(Most Important Task)と呼んでいます。 目標に対してよく言われることに「目標は具体的に、数字で表せ、評価できるようにする」というものがあります。 つまり、「お金をためる」ではなく、「今年中に50万円ためる」としたり、「ダイエットする」ではなく、「2か月後に5キロ落とす」とすべきということです。 そのように具体的な目標を決めたら、その中で「MITは何か?(最も優先して取り組むべきことは何か?)」を決める必要があります。

「優れた商品を生み出したければ、労働時間の50%以上を商品開発につぎ込むこと。ユーザーや会社の利益になるといえる正当な理由がない限り、講演依頼は引き受けてはならない」 マーク・ビンカス
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

ソーシャルゲーム会社ジンカのCEOであるマーク・ビンカスの言葉はMITの実践例です。 有名企業のCEOになると、講演や出演の依頼が殺到します。大勢の前で講演したり、有名人とテレビに出演したりすることは気分がよく、またすぐにお金になるのでついつい受けてしまいがちです。 しかし、それが目標に貢献しないのであれば、MITを遂行したほうが長期的に見たメリットは大きいのです。 マーク・ビンカスにとって、講演はお金と人気を簡単に手に入れられる手段ではありますが、ソーシャルゲームで世界を豊かにするという目標へは遠回りなため、プログラミングや新商品の企画など裏方仕事を優先するのです。

「一日の最初の時間帯は、自分の事業を構築するのに役立つ、最優先のタスクにつぎ込みなさい。それも一切中断せずに。メールや携帯をのぞいたりしないで、世間が目覚める前にやってしまうことだ」 トム・ジグラー
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

そして、MITは朝の早い時間帯にやってしまう必要があります。 なぜなら、一日は1440分しかないから。 出社して、世間が動き出したら、あなたのもとには相談に来る部下や指示を出す上司、クライアントからの電話やメールが殺到します。 それらを処理するうちに1440分はどんどん減っていき、MITのための時間が無くなってしまいます。 ちなみに、私はこの記事を夜遅い時間に書いています。 私のMITは別のところにあるため、そちらを優先しているからです。 この記事の最後にアフィリエイトリンクを張っているので、あなたがそこから本書を購入してくれたら私にお金が入ります。 なので、短期的に収入を増やすならGraspMindの更新をMITにおいてもいいのですが、コピーライティングやマーケティングの仕事が目下のMITであるため、朝の貴重な時間はそちらに使い、この記事は1440分から残った時間で書いています。

秘訣② 最も重要なタスク(MIT)を特定し、毎日、何よりも先に取り組む

ToDoリストをやめる

ビル・ゲイツドナルド・トランプウォーレン・バフェットが、ToDoリストを使っているだろうか? スティーブ・ジョブズがToDoリストを見て「次のタスクはこれだな」などと考えたりしただろうか? ToDoリストは単純作業を効率的に進めるうえで有効かもしれません。しかし、そこにMITの概念はありません。 そして、大きな問題は、タスクを”重要度”ではなく”緊急度”で判断し、急ぎのタスクに飛びつきやすくなってしまうことです。 ケビン・クルーズがToDoリストの代わりに推奨しているのがスケジュールです。

「私は難しいことは考えず、あらゆることをスケジュールに入れる。ただそれだけのことだ。毎日やることはすべてスケジュールに入れる。ソーシャルメディアに30分。メール45分。社外スタッフとの情報交換。じっくり考えて計画を練るための静かな時間。要するに、スケジュールに入れないことには何も片付かない」 クリス・ダッカー(シリアルアントレプレナー、講演家、ベストセラー作家
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

ToDo管理サービスサイト「アン・ダン・デイズ」の発表に「ToDoリストの項目の41%は永遠に終わらない」というものがあります。 ToDoリストはタスクを終わらせるために使うものですが、実は半数近くが終わらずに放置されてしまうのです。 そして、その半数はより時間のかかる(重要な)タスクなのです。 ToDoリストは重要度よりも緊急度を優先してしまうと述べましたが、重要なタスクが終わらない理由もここにあります。 ToDoリストには優先順位の概念はあっても”いつやるのか”という時間の概念はありません。 その結果、すぐに終わるタスクばかり終わって、重要なものが後に残っていきます。そして、重要なものに取り掛かるときには1440分は残り僅かになっています。

「私の場合、スケジュール表にないものは片付かない。逆に言うとスケジュール表にあるものは片付く。私は毎日、一日のすべての時間を15分単位でスケジュール化する。会議、資料のチェック、執筆、その他こなすべきことは何でも、そうやって管理している」 デイブ・カーペン(ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー著者、ライカブル・メディア共同創業者兼会長、ライカブル・ローカル創業者兼CEO)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

大量のタスクも、時間がかかるタスクも、スケジュール表に入れるだけで終わるようになります。 ToDoリストと違うことは”いつやるか”と”どれだけの時間をかけるか”が明確であることの2つですが、1440分しかない中で、この差は重大です。 もちろん、これまでToDoリストで管理していた時のように緊急の要件が飛び込んでくることは多々あるでしょう。 1日のスケジュール表はみっちり埋めるのではなく、そうした緊急の案件にも対応できるバッファ(空白の時間)を設定しておくといいでしょう。

秘訣③ ToDoリストではなく、スケジュール表を見て動く

先延ばし癖を克服する

先延ばしとは、比較的簡単で楽しいことを優先し、重要だが気乗りしないことを後回しにすることを指します。そして、あなたが目標まで最短距離を進めず時間を失ってしまう要因の一つです。 TwitterFacebook、テレビなどは先延ばしの代表的手段です。 ケビン・クルーズの調査では、アメリカ人の20%は先延ばしが慢性化しており、生活の一部となっているといいます。 これは、うつ病と恐怖症という2大心理疾患の患者数を上回る数字です。 先延ばしには二つの原因があります。 1.モチベーションが十分でない 2.未来の理想より現在の願望のほうが強力であることを十分に認識しないまま、目標設定を行っている 特に2つ目の理由が重要です。一週間後にサラダを食べようと思って野菜を買い込んでも、お決まりどおり2週間後に冷蔵庫で腐っているでしょう。 今年こそ割れた腹筋を手に入れると誓って買い込んだトレーニング道具は、春を待たずにホコリをかぶっているでしょう。 未来の理想と現在の願望を比較したとき、頭では未来の理想のほうが重要と考えていても、現在の願望を優先してしまいます。 これは心理学でいうところの「時間不整合性」というものです。 人は「あとで」や「いつか」「これから」に対して甘くなってしまいます。 「今日の自分はソファーで寝そべっているけれど、明日の自分はランニングに出かけているだろう。だってそう決意したから」 しかし、現在も未来も過去も、”今この瞬間”の連続なのです。今のあなたがやらないことは、明日のあなたもやりません。 今この瞬間にやるべきことをやることがどれだけ難しいか、どうしても過小評価してしまいます。 先延ばしという手ごわい敵と戦うためには、アメとムチを用いてモチベーションを維持したり、目標に対して報告する相手を決めて強制力を持たせたりと、様々な方法が考えられます。 しかしまずは、明日の自分も将来の自分も、今の自分となんらかわりない”自分”なのだと認識し、未来の行動を過小評価することをやめましょう。

秘訣④ 先延ばし癖を克服したければ、未来の自分に打ち克つ方法を見つけること。未来の自分は、正しい行動をとると信用できる相手ではない。

罪悪感なく5時に退社する方法

Facebook COOのシェリル・サンドバーグは、子供たちと6時の夕食を食べるために、毎日午後5時半に退社する ・インテルの元社長アンドリュー・グローブは毎日8時に出社し、6時に退社していた ・ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソンは、400社以上からなる複合企業を統括しているにも関わらず、常に個人所有の島をぶらついたり、冒険家として素晴らしい世界記録を打ち立てたりしている あなたの仕事、目標がなにかはわかりませんが、彼らのような超大企業のトップに比べてタスクが多いということはないと思います。あなたが毎日遅くまで働き、望んだ成果を出せていないなら、”仕事が忙しい”以外に原因があるかもしれません。

私の一日が終わるのは、疲れて帰りだすときであり、仕事が片付いた時ではない。私の仕事が片付くことなど、決してないからだ。主婦と同様、経営者の仕事には終わりがない。やらなくてはならないこと、やったほうが良いことが常に無限にあって、やり切れる量を常に超えているのである アンドリュー・グローブ HIGH OUTPUT MANAGEMENT
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

経営者の仕事、と書いてありますが、普通の会社員やフリーランスにとっても同じだと思います。 いつだって、やらなければならないこと、やったほうがいいことは無限にあります。 「仕事は決して終わらない」 この考え方は強烈です。時間管理の本が教えることの多くは「効率的に仕事を終わらせる」方法なのですから。 そもそも、仕事が終わることはあり得ないという前提に立って時間管理をすることは、考えが180度変わる衝撃があります。 FacebookのCOO シェリル・サンドバーグは5時半に退社しています。彼女が夜11時までFacebookのオフィスで働き続けたら、Facebookの業績は大きくなったかもしれません。 しかし、シェリル・サンドバーグにとっては、家族と過ごす時間のほうがいっそう重要だったのです。

忙しくて自分の好きなことをする時間が作れない、ということは決しないはず。それは優先順位付けの問題に過ぎないのだから。つまり、普段の一日の過ごし方を評価し、自分が尊重することに時間を捧げているかどうか。自分にとって本当に重要なことであれば、生活に組み入れる方法は見つかるものだ ジェシカ・ターナー
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

常に、職場でやることはあります。 常に、SNSでチェックしたいことはあります。 常に、掃除すべき部屋やクローゼットはあります。 常に、読みたい本や見たい映画はあります。 常に、やることはあります。 「これが終わったら、やりたかったあれをやろう」という気持ちでは、絶対にやりたいことができません。本当にやりたいことは、優先順位を上げ、スケジュールに組み込むべきです。

秘訣⑤やるべきこと、やれることは、常に山ほどある。この事実を受け入れる

成功者たちのノート術

常にノートを持ち歩き、なんでも書き留めなさい。アイデアを思い付いたら、それを書き留める。新しい人と出会ったら、その人について得た情報をすべて書き留める。そうすれば、書き留めたことにどれほどの時間をかける価値があるかがわかる。何か面白いことを聞いたら、それを書き留める。書き留めればその記述に基づいて行動することになり、書き留めなければ忘れる。これこそ、ビジネススクールでは教えない100万ドルの教訓だ! ギリシャの海運王アリストテレス・オナシス 富、実力、素養、健康、影響力、教養、個性といったものを本気で求めているなら、日記をつけなさい。日記をつけることは大変重要だ。日記は次世代に残すべ3つの宝のうちの1つだと私は捉えている。 1つ目はあなたの写真だ。写真はたくさん撮りなさい。 2つ目はあなたの蔵書だ。あなたの教師となり、指導者となり、あなたの見解の後ろ盾となった、本棚にある数々の本のことだ。あなたが価値観を築くうえでそうした本が役に立った。あなたが裕福になり、実力者になり、健康になり、素養を身につけ、個性的になるために、そうした本が役立った。 3つ目の宝はあなたの日記だ。つまり、思い付いた考えや細心の注意を払って集めた情報のことだ。しかしこの3つの中で、私の教えを真面目に学んでいることがよくわかるものは、日記をつけるということである 伝説的サクセスコーチ ジム・ローン ノートや日記をつけることは、自己実現やビジネスでの成功に加えて、時間管理の上でも効果的です。 素晴らしい情報と出会っても、忘れてしまえば意味がありません。人から素晴らしいアイデアを5分間聞いても、忘れてしまったらその5分は失われてしまいます。 ノートをつけることで、無駄になる出来事がぐっと減り、あなたの人生で価値を発揮できるチャンスが大幅に増加します。

「私は、主にバレット・ジャーナルを手帳として使っている。おかげで、アイデアや思考、予定を常に手元においておける。日々の記録はぜひともつけたほうがいい。生きるに値する人生は、記録に値する人生なのだから」 アナリー・コーダ(作家、演説家、自己変革エキスパート)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

また、ノートはデジタルではなくペンで書いたほうが良いと教えてくれています。 サイエンス誌に発表された「ペンはキーボードより強し」という論文の中で、記録方法と記憶についての関連性について研究されています。 実験はTEDスピーチを学生に見せ、手書きとパソコンでノートを取らせ、30分後にスピーチ内容のテストを行うものでした。 その結果、手書きでノートをとった学生のほうが、いい点数が出ました。 パソコンで記録をとると、正確で完全な記録がつけられ、後日見返すときに役立ちます。しかし、記憶に残りづらいというデメリットもあります。 デジタルで管理する場合は、手書きのノートをスキャンしてテキスト化するアプリなどを使うといいでしょう。

秘訣⑥ 常にノートを持ち歩く

3210メール術

平均的なオフィスワーカーは仕事の3分の1の時間をメール対応に使っています。 これは明らかに使い過ぎでしょう。一通で事足りるメールを3往復に分けたり、メールで残す必要がない連絡までメールでしています。 これは、脳にとってメールがスロットマシーンのようなもので、返信するたびにタスクを終わらせた達成感があり、ドーパミンが放出されるためです。 つまり、メールを返信し”対応済み”フォルダに入れることは、気持ちがいいのです。

メールに振り回されない7つのステップ

1.メールニュースを解除する 私も一時期メールマガジンを大量に受信していて、それ専用のアドレスまで持っていたときもあります。しかし、そのほとんどがすぐに見なくなり、大切なものが紛れていないか確認するだけになっていました。 メールマガジンの中には有益なものもありますが、本当に有益ならばメールマガジンで知らせてもらうのではなく、こちらから探しに行ったほうが効果的です。 今すぐ、メール本文の中から「配信停止」の文字を探しましょう。 2.メール通知をオフにする メールは本来、急を要するコミュニケーションに使うものではありません。緊急の要件は電話で来ることがほとんどです。最近であれば、チャットツールで来ることも多いでしょう。 つまり、メールの通知をオフにしたところで仕事や生活に害はほとんどない、どころか集中力を中断するものが一つ減るため、生産性が大きく上がります。 3.3210方式を取り入れる メールは朝昼晩の3回に分けて、それぞれ21分間の時間を使い、受信ボックスを0にする。これが3210ルールです。 これは普通の会社員でも取り組みやすいと思います。 4.瞬時に4つのDを適用する 4つのDは、「今やる(Do)」「人に任せる(Delegate)」「あとでやる(Defer)」「削除する(Delete)」で、メールを開いた瞬間にそのいずれかを決めます。

「ともすれば、会議や電話、メールによって、一日が丸々分断されかねない。そのあとには大志を成し遂げる時間などほとんど残っていない。自分に必要ない会議はキャンセルしなさい。メールは一日2,3回確認すれば十分だ。」 ジョーナ・バーガー(ペニシルベニア大学経学教授、「なぜ『あれ』は流行るのか?」著書)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

5.転送やCC、BCCはよく考えてから ロンドンの電力会社インターナショナル・パワーが、メールの転送やCC、BCCを追加前にもう一度考えるよう幹部に促したところ、それだけでメールが54%も減ったという実例があります。 自分がCCで誰かに送れば、その誰かからもCCで関係のないメールが届く可能性があります。送信するメールが減れば、受信するメールも減ります。 6.件名を活用して、必要なアクションを示す いつまでも返答がないからもう一度送りなおしたり、電話で追加フォローを行った経験があると思いますが、明らかに時間の無駄遣いです。 件名に「〇日までに返信ください」など望むアクションを入れるだけで、対応される確率がぐっと上がります。 7.メールは常に短く、ごくごく短く 前置きと締め、そしてフッターに長々と記載された会社情報や所属部署… ほとんどの場合、これらは無駄になります。フッターが豪華なメールを見かけますが、必要なのは最初だけです。前置きや締めの言葉が多い場合も、本題を薄れさせるので書く・読む両方に時間がかかるうえ、必要なアクションも返ってきづらくなります。

「メールは常に簡潔にまとめよう。私はもう10年以上、メールを3行にまとめるよう訓練してきた。余計なことは省いて最も革新的なポイントだけを残す。すると自分の時間も空いての時間も節約できる」 ライアン・ホームズ(フートスイート創業者兼CEO)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ
秘訣⑦ 自分の生活に優先事項を割り込ませるうってつけの方法。それがメールだ。受信箱はきちんと管理すること

グーグル、アップル、ヴァージンの会技術

「小切手を切ってもらえないなら、会議には出席するな」 マーク・キューバン(NBAダラスのオーナー)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

会議について、言うことはあまり多くありません。会議の生産性の低さはもう多くの人が知っているからです。 しかし、実践できているチームはすくなく、いまだに1時間の会議が多く開かれています。 会議が1時間であることが多い理由は、スケジュール表の区切りがそうなっているから、会議室の予約単位が1時間ごとだから、という以外にありません。 また、あまり関係がない人まで会議に呼ぶことも悪習です。議事録を読めば5分でわかることに1時間もかける意味はありません。発言するチャンスが少ない議題なら、出席する必要は全くないでしょう。 Googleは会議の参加者を10人以下にしています。 スティーブ・ジョブズは会議に出席している正当な理由がない場合、その人を追い出したといわれています。

秘訣⑧ 会議は、予定するのも出席するのも、他のコミュニケーション手段ではうまくいかない場合の最後の手段にする

大成功へと導く小さな一言

「一点集中とは『ノー』ということだ」 スティーブ・ジョブズ
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

仕事が終わることは永遠にないという話をしましたが、当然、依頼や誘い、相談がなくなることも永遠にありません。 一日は1440分しかないことを忘れないでください。「5分で終わるから」といって時間を奪われることを許容しないでください。「ノー」といえば2秒で終わらせることができます。

「成功した人と大成功した人の違いは何か。大成功した人は、ほぼすべてのことに『ノー』という」 ウォーレン・バフェット
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

「ノー」ということは難しいかもしれません。相手に嫌われたり、怒らせたり、評価を下げてしまう可能性があります。 しかし、あなたには他にやるべきことがあると伝えましょう。また、しつこい場合には「2週間後の火曜の14時20分から30分までなら可能です」といってみてください。たいてい、引き下がります。

秘訣⑨ 当面の目標達成に役立たない誘いは、すべて断る

強力なパレートの法則

パレートの法則について、説明する必要はあまりないでしょう。経済や統計学、ビジネス、自己啓発と非常に多くのジャンルで使われている概念で、「80対20の法則」と呼ばれています。 80対20の数字に意味があるわけではなく、「入力と出力はアンバランスである」という真理を表しています。 パレートは、よく実ったえんどう豆の80%が、20%の苗木から収穫されたことに気づき、パレートの法則を思い付いたといわれています。 その後の調査で、イタリア国土の80%が20%の人に所有されていることや、生産物の80%は20%の企業によって生み出されていることを発見しました。 ・総売上の80%は20%の営業によって生み出される ・総利益の80%は20%のクライアントによって生み出される ・ソフトウェアのバグの80%は20%の同じ部分の記述が原因になっている ・医療費の80%は20%の患者によって使われている

「すべてをやることはできないという事実を私は受け入れている。だから、80対20の法則を適用し、極めて重要なことにしか取り組まない」 ジェイムズ・シュラムコ(スーパーファストビジネス創業者)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

決して全部をやろうとしないこと。そもそもそんなことは不可能であることを「1440分の使い方」では繰り返し教えてくれています。 何か一つ新しいことを始めれば、これまでやっていた何かをやめる必要があります。 「ノー」ということの重要性の部分でも触れましたが、何かを行うということは、そのほかにできた多くのことをやらないということなのです。 80対20の法則は何をやるべきかを決めるうえで重要な指標になります。 それだけでなく、持ち物の整理や旅行の計画でも価値を発揮します。 カバンの中に入っているものの80%はめったに使わないものですし、クローゼットの中の80%の服は捨ててしまってもそこまで影響しないでしょう。 旅行先の楽しい思い出の80%は20%の時間や場所から生まれているでしょうから、最初からその20%に絞って旅行計画を立てれば5分の1の時間とお金で同じくらいの楽しさを味わえるでしょう。

秘訣⑩ 成果の80%は、20%の活動から生じる

ハーバードの3つの質問

「外部委託に使えるお金がほんの少しでもあるなら、それを惜しまず、人の時間を買う。ここがポイントだ。自分の168時間をしっかり設計したら、あとは他者から時間を買って増やしなさい」 シェーン・サムス
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された生産性に関する実験で「知識労働者の時間の41%は、必要ではない活動、個人の満足度に乏しい、他者でもできる活動に費やされている」と発表されました。 そのことを認識し、新たな視点から自身の活動を考えるようになったところ、平均して1週間に6時間のデスクワークと2時間の会議の削減が実現されました。 その考えがこの3つです。 ・断念する:あきらめていいものはないか?完全に辞められるものはないか? ・委託する:部下に任せられるものはないか?外部委託できるものはないか? ・再設計する:自分でやり続けるべきものは何か?それを能率の良い、別のやり方でできないか? この中で最も時間削減につながる方法は「委託する」ことです。断念できる仕事は多くないかもしれませんが、他の人でもできる仕事は多いはずです。 特に起業家は委託による改善が非常に効果を発揮します。 起業当初はすべてを自分でやることになるでしょう。振込等の事務作業から、営業、商品開発、マーケティングまで担当すべき部分は多岐にわたります。 しかし、あなたが起業家として本当にやるべきことは商品開発かもしれません。または、新規クライアントの開拓が最重要かもしれません。 しかし、庶務を雇わなければ、自分が庶務なのです。自分でできるからといって、自分でやる必要はないのです。 高いパフォーマンスを発揮するには、最も重要なタスク=MITに専念すべきなのです。

「得意なことに専念し、それ以外のことは人を雇え」 ルイス・ハウズ(ベストセラー作家、起業家、元プロスポーツ選手)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

あなたがやっていることで、あなたがやる必要がないものを探しましょう。 最近は掃除や洗濯、食事の用意まで格安でやってくれるシェアリングサービスが充実しています。 あなたが特別掃除が好きで、掃除をすると気分がリフレッシュされ、人生が豊かになると思っていない限り、自分で掃除をする必要はありません。

秘訣⑪ 自分の強みと情熱を活かせることに、集中的に時間を注ぐ

テーマのある毎日

このような働き方をするためには、しっかり自制し、地道な練習を重ねるしかない。私には一日のテーマを決めるのが効果的だった。例えば月曜日は、両社で管理と会社経営に専念する日とし、経営課題すべてに一つ一つ取り組む。火曜日のテーマは製品、水曜日はマーケティングとコミュニケーションと成長、木曜日は開発者とパートナーシップ、金曜日は会社と文化と採用。土曜日は休んで、日曜日は振り返り、フィードバック、戦略、翌週の準備。 四六時中、割り込み仕事が入るが、そうやってテーマを決めておけば割り込みに素早く対応できるし、「火曜日だから製品会議がある。製品関係の仕事に集中しなければ」とわかる。会社の他部門とも足並みがそろう。私たちはいつだって情報をオープンにしている。先週どこにいたのか、来週はどこにいる予定なのか、常に明らかにしている。 Twitterとスクエアの創業者であるジャック・ドーシーは、急成長する二つの会社でフルタイム(8時間×2社)の仕事をしていた。 その圧倒的な生産性の秘訣についての説明が上記のコメントだ。 このように毎日にテーマを決めることで、生産性が大きく上がる可能性があります。 人が持つプロフィールは1つではありません。 新人社員から上司と慕われるあなたも、役員からすると優秀な部下かもしれません。家に帰れば、父親母親としてのあなたがあり、趣味の釣りや友人との付き合いの中ではまた違ったプロフィールを持っているでしょう。 それぞれにおいて最高のパフォーマンスを発揮するには、毎日のテーマが役立ちます。 一日の中ですべての役割をこなすことは難しいでしょうが、日曜日は父親としての自分、月曜日はチームリーダーとしての自分、火曜日は上司に適切な報告を行う部下としての自分、と決めることで効率的にこなすことができます。

秘訣⑫ 同じテーマの仕事をひとまとめにし、毎週同じ曜日に割り当てる

「一度しか触らない」ルール

この秘訣は、私自身の生産性を高めるうえで、大きな効果を発揮しました。 あなたにとってもそうであることを願っています。 成功した人々は、何事に対してもその場ですぐに対処します。 それが効率的だと知っているため、最短の時間と最小の気力で処理するのです。 代表的なのはメールでしょう。 メールの通知が届くと、とりあえず一度見ておくと思います。そして、緊急性がなかったら後回しにし、中断した仕事に戻ります。そして、空き時間ができた時にそのメールをもう一度確認し、処理をする。 一般的なメール処理の流れだと思います。 しかし、同じメールを2回見ることに対した意味はありません。メールを一度開いたら、その場で処理してしまうことが最も効率的です。

「終わらせるべきタスクが小さなもの(5分以内で終わるもの)であれば、後回しにせず必ずその場で終わらせると決めている。そうすれば、一日の最後に、やり残したタスクがずらずらと上がることはない」 ニーアー・スーター(コーネル大学のオールAの学生)
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秘訣⑬ 5分以内で終わるタスクは、すぐにやる

朝を変えて、人生を変える

成功者は朝の過ごし方が違う。 いろいろなところで言われることですが、これは確かでしょう。

「家族より15分早く起き、誰よりも15分早く会社に入ろう。毎日朝いちばんに15分集中して考えれば、人生のどんな問題も解決できる」 クレイグ・バランタイン(タービュランス・トレーニング考案者)
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成功者とひとくくりにしても、朝の過ごし方はそれぞれです。しかし、共通する項目も多くみられるので、いくつか紹介しましょう。 ・成功者のほとんどは早起きである(午前6時前に起きる) ・水をたくさん飲んで体を潤わせる ・健康的な朝食をとる。ただし、健康的の定義は人それぞれ ・運動をする ・瞑想や読書をしたり、日記をつけたりする 全部をいきなり実践することは大変でしょう(私もできてません)。 しかし、ぜひ明日から取り入れてほしいのが「体内浴」と呼ばれる習慣です。 体内浴とは、朝起きてすぐに良質な水を1リットル飲むことです。 睡眠中は体内に老廃物がたまります。大量の水を飲むことで、代謝が活発化され、老廃物が排出されます。また、自覚はなくとも起床時は脱水症状にあります。 私も寝起きが悪いほうでしたが、寝るときに水を用意しておいて、朝起きてすぐ飲むことを習慣づけてから朝の生産性がぐっとアップしました。 その他にも、朝習慣づけるとよいことはたくさんあります。読書、日記、運動、食事、仕事… あなたの人生にあった最高のルーティンを見つけてください。 そして、そのためには何よりも早起きして朝の時間をたっぷり確保することです。

「すっかり定番になった朝の習慣は、真っ先にやる35分の早歩きだ。外に出て、新鮮な空気を吸い、気持ちを切り替えるという行為がすべて、素晴らしい一日の始まりを約束してくれる」 ジョン・リー・デューマス(月間売り上げ25万ドルを誇るポッドキャストの司会者)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ
秘訣⑭ 毎日、最初の60分に投資し、心と体と精神を鍛える

全てはエネルギー次第

時間管理について、いろいろなメソッドや考え方を紹介してきましたが、結局のところ時間は伸びも縮も、減りも増えもしません。 本書のメソッドをすべて実践しても一日が25時間になるわけではないのです。 何をしても時間を操ることはできないのですから、時間以外の部分にフォーカスをあてたほうが効果的かもしれません。 それが”エネルギー”です。 人が「時間がない!」というとき、実際には「より多くのことを、よりストレスなく、より短い時間で終わらせたい」といっているのです。 疲れているときに本を読むと、調子がいい時の何倍も時間がかかるうえ、大してあまたにも入ってこない。 こんな経験はありませんか? エネルギーが低いと余計な時間がかかり、生産性が落ちます。 あなたが常に高いエネルギーをもって活動できれば、そのほかのメソッドをすべて忘れても、時間を節約し、高い生産性を発揮できるのです。 朝の習慣が重要なのは、そこで一日のエネルギー量が決まってしまうからでもあります。

「毎日1,2分でもいいから血液を循環させよう。ちょっとしたトレーニングでエネルギーがぐんと上がり、世界を背負うのに必要な酸素が脳に供給される」 エイベル・ジェイムズ(ベストセラー作家、音楽家)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

運動をするとエネルギーが減ると考えている人がいます。なので、朝はできるだけ体力を消耗しないように静かに過ごすというわけです。 しかし、人間の体はそのようにはできておらず、適度なトレーニングはエネルギー量を増大させます。 トレーニングにより体力がついたわけではなく、血流が増すことで瞬時にエネルギーが増すのです。特別トレーニングに愛着がない限り、一日数分で十分です。その日一日の生産性の違いが実感できるはずです。

「生産性のために睡眠を犠牲にしないこと。『事業を成功させるまではほとんど寝なくてもやっていける』と信じている若手起業家がたくさんいる。しかし睡眠不足になると、鋭さや明晰さがうしなわれてしまう」 マーク・シッソン(ベストセラー作家)
1440分の使い方|ケビン・クルーズ

生産性が高く、成功している人ほど良く休みます。朝の9時から18時まで机にかじりついている人より、ひと波超えるたびに小休憩をはさむ人のほうが、生産的です。 ・十分な睡眠をとる ・アルコールを極力控える ・カフェインを最小限に抑える ・非加工食品を多めに取る ・健康的な体重を維持する ・水をたくさん飲む ・毎日運動する 言うまでもないことですが、エネルギーを高めるにはこのような基本的な習慣が何よりも重要です。

秘訣⑮ 生産性とは、時間の問題ではなく、エネルギーと集中力の問題である。

まとめ

一日は1440分しかない。あたりまえのことですが、意識することは少ないと思います。 しかし、「1440分の使い方」を読むと、時間に無頓着ではいられなくなります。 この記事を書くのに145分使ってしまいました。 145分あれば何ができたでしょうか。本当になんだってできます。 では、その中でこの記事を書くことが最も生産的だったのでしょうか。 必ずしもそうではないかもしれません。スケジュール表では75分間をこの記事に費やす予定でしたが、大幅にオーバーしてしまいました。 75分ならかける時間と生産性が釣り合うと判断したわけですから、145分かけた以上、釣り合っていませんね。 しかし、その判断ができるようになったことは、非常に価値が高いと思います。 過去の記事や仕事において、自分のライティングにかけている時間とそのリターンを正確に測ることをしていなかったのですから。 この記事ではこれ以上書きませんが、15の秘訣のほかにも「時間と生産性にまつわる20のテクニック」やビリオネア、オリンピック選手、オールA学生の時間管理法について教えてくれています。 「時間管理」と一言で言っても、その人の状況や目的、価値観によって方法は様々です。だからこそ、300人近い人の時間管理法を教えてくれる後半の章は価値が高いと思います。 最後に「時間管理の名言ベスト110」から、私が個人的に気に入っているものをいくつか紹介します。

時間管理の名言ベスト110

平気で人生を1時間無駄にする人は、人生の価値をまだ知らないのだ チャールズ・ダーウィン これが人生最後の一日だと思って毎日を生きろ マルクス・アウレリウス 時間が足りないなどというな。あなたに与えられた一日の時間は、ヘレン・ケラーミケランジェロマザー・テレサ、レオナルドダヴィンチ、アルバート・アインシュタインと全く同じなのだ H・ジャクソン・ブラウン 10セントの価値しかない決定に1ドル分の時間をかけるな ピーター・トゥルラ 朝が遅い人は、一日中小走りしてなくてはならない ベンジャミン・フランクリン 無駄にした時間を嘆くのは、最も賢い人である ダンテ 富を失ったら懸命に働けばいい。知識を失ったら勉強すればいい。健康を失ったら禁酒するか薬を飲めばいい。しかし時間は、一度失ったら永遠に戻ってこない サミュエル・スマイルズ お金がほとんど尽きるまで、お金に全く注意を払わない人がたくさんいる。そして時間に対しても全く同じようする人が多い ゲーテ

著者紹介

ケビン・クルーズ(Kevin Kruse) ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー作家、フォーブス誌寄稿者、基調講演者。複数の数百万ドル規模の企業の創業者。「フォーチュン500」企業のCEOのほか、海兵隊将官連邦議会議員を指導している。アメリカンドリームを求め、22歳で最初の会社を起業。昼夜なく働き、ワンルームの事務所で暮らし、毎日YMCAでシャワーを浴びる生活を1年続けた後、巨額の負債を抱えて挫折。しかし「一意専心のリーダーシップ」と「分単位の時間管理」に目覚めてからは、複数の会社を起業し成功。「インク500」および「Best Place to Work(働きやすい会社)」へのランクインを果たしている。

100年役立つコピーライティング・マーケティングの名著17選

当記事は2016年8月に執筆した「売れない悩みはあなた一人で解決できる」に掲載した「巻末資料A」を編集したものです。 ここでいう「本書」は「売れない悩みはあなた一人で解決できる」を意味します。

様々なテーマの本を読めば、あなたの広告が成功する確率はどんどん上がっていく。他人が侵してきた失敗を学ぶことで、あなたは失敗を回避できる。私は本書だけであなたが広告を書くためのすべてを言い切ったとは思っていない。私が言ってきたことはコピーライティングという膨大な世界の本の一面でしかないのだ。あなたが更なる発展をするためにも、たくさんの本を読むことは有益だろう。そのためいくつかの優れた書籍を紹介しようと思う。中にはプロのコピーライター向けのものもあるが、あなたにとって多くの学びがあるはずだ。

『広告で一番大切なこと/広告マーケティング21の原則』 クロード・C・ホプキンス

[caption id="attachment_250" align="alignnone" width="350"]クロード・ホプキンス|広告でいちばん大切なこと クロード・ホプキンス|広告でいちばん大切なこと[/caption] コピーライターでこの本を読んでいない人間はおそらくいないだろう。それくらい圧倒的な古典的名著だ。 クロード・ホプキンスがこの本を書いたのは80年も昔のことだが、それが今でも読み続けられているというのはどういうことだろうか? これはこの本に書かれている原理原則が不変のものであるという証明である。本書でもホプキンスの名言は何度も取り上げているが、この本を読めばそのすべてが分かる。 ちなみに、日本では『広告で一番大切なこと』と『広告マーケティング21の原則』の二冊で出版されているが、もともとは一冊の本として書かれている。ここでは一冊として紹介しているが、『広告で一番大切なこと』と『広告マーケティング21の原則』の両方を読んでほしい。

内容紹介 クーポン、サンプル配布など誰もが知っている広告手法を最初に編み出したホプキンスの仕事術! 世界3大広告人のひとり、デビット・オグルビーや、全米No.1 マーケター、ジェイ・アブラハムが最大のリスペクトを寄せるホプキンスの仕事術がつまびらかにされる! クロード・ホプキンスは「テストマーケティング」「クーポン」「コピーリサーチ」といった、今では当たり前のように用いられている広告手法を最初に編み出した広告マーケティングのパイオニアである。柔軟な発想と勤勉さを武器に、現場での幾多の難題を乗り越え、次々と斬新な広告を生み出し、のちの広告マーケティングの礎を築いた。ホプキンスのリアルな生きざまや処世術は、80年経た今も、現代のビジネスマンに必要なビジネスエッセンスとなる。本書の下巻にあたる『広告マーケティング21の原則』(翔泳社刊)との併読をお勧めします。 著者について クロード・C・ホプキンス(1866-1932) 19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した米国の著名なコピーライター。さまざまな企業で広告を制作した後、41歳のときに広告代理店ロード・アンド・トーマス(現在のフット・コーン&ベルディング)に入社。同社で18年間を過ごし、後に同社の社長と会長も務めた。「My Life inAdvertising」を出版した5年後に66歳で亡くなった。米タイム誌より20世紀の3大広告人(ほか2人はレスター・ワンダーマンとセルジオ・ジーマン)のひとりに選ばれたデビッド・オグルビーや、全米NO.1マーケターのジェイ・アブラハム氏(著書にハイパワー・マーケティングなど)が「広告の神と仰がない人はいない」とホプキンスに寄せられるリスペクトはとどまるところを知らない。

シュガーマンマーケティング成功事例大全①②』 ジョセフ・シュガーマン

[caption id="attachment_252" align="alignnone" width="300"]ジョゼフ・シュガーマン|シュガーマンのマーケティング成功事例大全 1&2 ジョゼフ・シュガーマンシュガーマンマーケティング成功事例大全 1&2[/caption] ジョセフ・シュガーマンも本書でたびたび登場してもらっている通販広告の伝説の人だ。 この本の素晴らしい点は、シュガーマンがそのキャリアの中で培ってきた経験が実例として大量に盛り込まれていることだ。それも成功した広告だけでなく、失敗した広告に関しても詳細に分析し、ポイントを教えてくれている。 この本を読めばサングラスが通販で2000万本も売れた秘密も、彼と関わってきた会社がどれも飛躍的に発展している理由も、非常に高くついた失敗から得た学びも、すべて知ることができる。

著者紹介 ジョゼフ・シュガーマン S&Aグループ社およびブルーブロッカー社会長。全米屈指の宣伝、広告文の書き手であり、 通販事業で伝説を作り上げたダイレクト・レスポンス・マーケティングのパイオニア。 1973年に、通販業界でに初めて無料ダイヤルを採用し、電話でのクレジットカード注文を取り入れた。これによりシュガーマンのビジネスは大成功を収め、その後あらゆる通販業者がこれに習うようになった。 1986年には自社の製品、ブルー・ブロッカー・サングラスを世に売り出し、TVインフォマーシャルを含めた画期的なダイレクトマーケティング手法により2,000万個以上を販売し大きな成功を収めた。 彼が考案した雑誌、新聞の全面広告は自らの通販、広告マーケティング会社JS&A社を一躍有名にしこの手法はその後広告のスタンダードとなった。 過去実際に試行錯誤を重ねながら集めたテストデータを通して、あらゆる商品を爆発的に販売するノウハウを手に入れながらも、それを惜しむことなく公開することで、広告業界のみならず、ビジネス界全体にも大きく貢献した。 ビジョンを持つ企業家、非凡なる教育者、大成功を収めたマーケッターとして多くの顔を持つ彼の著書やセミナーは世界中で実に多くの実業家に大きな影響を与え、彼らを成功に導いている。 1979年にはダイレクト・マーケティング・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、1991年、その長年の功績に対し業界最高峰のマクスウェル・ザックハイム賞受賞。 現在、ハワイ州マウイ島在住。 邦訳された著書に 「全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術」 「マーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」 がある。

『ある広告人の告白』 デイヴィッド・オグルヴィ

[caption id="attachment_253" align="alignnone" width="340"]デイヴィッド・オグルヴィ|ある広告人の告白 デイヴィッド・オグルヴィ|ある広告人の告白[/caption] この本は本書の中でも少し紹介している。オグルヴィは現代広告の父とも言われ、文字通り広告業界のイメージさえも変えてしまった人だ。 あなたが今日目にした新聞広告も、昨日目にした電車のつり革広告も、晩御飯の途中に見るテレビCMも、コンビニで見かけた通販広告も、その多くがオグルヴィの影響を受けて作られていると言っていいだろう。 コピーライティングにおける数々の名言を残し、彼が書いた社内メモでさえ数十年後に別の本で引用されている。 広告について学ぶなら他を差し置いても、まずはデイヴィッド・オグルヴィだ。

出版社からのコメント 広告の天才にして偉大なる経営者、デイヴィッド・オグルヴィによる広告人のための教科書。 約半世紀にわたって、世界中の経営者・ビジネスパーソンにも読み継がれているビジネス書の名著、待望の新版登場。 広告会社の経営・「売る」広告作りの技術・クライアントの獲得方法など各業務において広告人はどのように考え行動すべきかを明快に説く。 またあらゆる産業界のビジネスパーソンに、会社の経営法・自社の商品やサービスをいかにして売るか・人材の見分け方と活用方法などを教えてくれる。 著者について 1911年、スコットランド人株式仲買人の5人兄弟の末っ子として、イギリスのウェスト・ホースリーに生まれる。エジンバラのフェテス・カレッジ、オックスフォードのクライスト・チャーチに学ぶが、学位取得を前に放校。これは人生において痛恨の失敗だったとオグルヴィは回想している。パリのホテル・マジェスティックの厨房でコック見習いをした後、スコットランドのアガクッカーズで家庭用コンロの訪問販売員を経て、1938年アメリカに移住、ジョージ・ギャラップ博士の視聴者調査研究所で副所長を務める。第二次世界大戦中は、英国安全保障調整局でサー・ウィリアム・スティーブンソンのスタッフとして働く。戦後、37歳でニューヨークを本社とする広告会社を設立、後に合併し、現在オグルヴィ&メイザーとして知られる国際的大手広告会社となる。1999年没。

『人を動かす』 デール・カーネギー

[caption id="attachment_254" align="alignnone" width="341"]『人を動かす』デール・カーネギー 『人を動かす』デール・カーネギー[/caption] この名著がここで紹介されたことに違和感があるかもしれない。 しかし、コピーライティングとはつまり、文章で人を動かす技術なのだ。そうであればデール・カーネギーが書いた『人を動かす』は広告・マーケティングに関わる全員にとって必読書だろう。 本書で紹介しているマインドセットの中にはカーネギーがこの本で言っていることもある。例えば「お客さんの言葉で語れ」というもの。これはカーネギーが「人を説得する12原則」の中で言っていることと同じだ。

内容紹介 邦訳500万部突破の歴史的ベストセラー。 人づきあいの根本原則を実例豊かに説き起こし、時代を超えて読み継がれる普及の名著。 あらゆる自己啓発書の原点となったデール・カーネギー不朽の名著。 人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則を、 長年にわたり丹念に集めた実話と、 実践で磨き上げた事例を交え説得力豊かに説き起こす。 深い人間洞察とヒューマニズムを根底に据え、 人に好かれて人の心を突き動かすための行動と自己変革を促す感動の書。 1936年の初版刊行以来、時代に合わなくなった部分を改良するなど、 折々に改訂が施されてきた現行の公式版。 カーネギーはこんな人 ●報酬を15倍に!!カーネギーの実力 デール・カーネギーはアメリカ・ミズーリ州に生まれ、州立の学芸大学に学びます。この頃に弁論術を研究。卒業後、教師、セールスマン、食肉会社員、行商人など、さまざまな仕事を経験。その後、ニューヨークで演劇の勉強をしました。 さらにいくつかの職を経たのち、大学時代に研究した弁論術を活かそうと、YMCAの話し方教室を担当。最初は一晩に2ドルの報酬しか得られなかったのですが、その講義が次第に評判を呼び、ついに彼の得る収入は一晩に30ドルにもなったといいます。 その後、成人教育、人間関係研究を目的とした「デール・カーネギー研究所」を設立。アメリカをはじめ、ヨーロッパ各地で講習会を開き、指導にあたりました。 その活動は彼の死後も引き継がれ、これまでに100年間で90以上の国、900万人以上のビジネス・パーソンが研修を受けています。 ●何度も読み返したくなる魅力 カーネギーの著書の特長は、誰にでもできる簡単な原則を、わかりやすく心に残る実例を数多く挙げて説いていくスタイルにあります。 読みものとしてのおもしろさと爽快感はもちろんのこと、夢中になれる読みやすさと、読み終える頃には誰もが「自分にもできる!」と思えるところにその魅力があるのでしょう。 ●「人間」に向けたれた鋭くもあたたかい眼 昭和28年の夏、カーネギーは、世界周遊旅行の途中、関西をおとずれ、京都を見物して香港に向かいました。その際、「日本で一番印象の深かったものは?」という質問に「それは日本人です」と言い残して船に乗ったカーネギー。人間に対する彼の関心の深さをしめすエピソードです。

『禁断のセールスコピーライティング』 神田昌典

[caption id="attachment_256" align="alignnone" width="313"]『禁断のセールスコピーライティング』 神田昌典 『禁断のセールスコピーライティング』 神田昌典[/caption] 日本人マーケターと言えば? この質問に対し一番多い答えは『神田昌典』だろう。私も神田先生の本からは多くのことを学ばせてもらっている。 神田昌典先生は日本にダイレクトレスポンスマーケティングという概念を持ち込んだ人だ。このダイレクトレスポンスマーケティングではダイレクトメール、つまり広告が最も重要な意味を持つ。 当然、神田昌典さんのライティングメソッドはコピーライティングを専門とするものから見ても非常に学びが多い。

内容紹介 ●焼け野原になっても、翌日から紙とペンだけで立ち上がれる! あの伝説の集団、顧客獲得実践会の会員たちが実践した究極のセールスライティングのテクニックが、ついに暴露されることに。 一度やったら止められない、 文章ひとつで会社が儲かる禁断のテクニックは、2万人以上、4000社をウハウハにし、まさに時代を切り拓いた。 その手法は、SNS全盛の今も、実は変わらず使えるものばかり。 紙とペンさえあれば、どんな状況に陥っても食べていけるのだ。 本書では、禁断の法則からDM、セールスレター、実際のセールス手法まで、著者と会員が売ることにかけて、血が噴き出るようなバトルが展開されている。   著者について 経営コンサルタント・作家。日本最大級の読書会『リード・フォー・アクション』発起人。 上智大学国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。 戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。 コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在は「次世代ビジネス実践会」へと発展) 。同会は、延べ2万人におよぶ経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展、急成長企業の経営者、ベストセラー作家などを多数輩出した。 1998年に作家デビュー。分かりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大し、実用書ブームを切り開いたため、出版界では「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。 『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、“日本のトップマーケター"に選出。 2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。 現在、ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。また、株式会社ALMACREATIONS代表取締役、公益財団法人・日本生涯教育協議会の理事を務める。 著書に『全脳思考』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『2022―これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)、『あなたの会社が90日で儲かる! 』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『不変のマーケティング』(以上、フォレスト出版)など多数。

『アイデアのつくり方』 ジェームズ・W・ヤング

[caption id="attachment_257" align="alignnone" width="324"]ジェームズ・W・ヤング|アイデアのつくり方 ジェームズ・W・ヤング|アイデアのつくり方[/caption] リサーチステップの中で登場したジェームズ・W・ヤングの本だ。 アイデアに関する本は無数に出版されているが、そのすべての根底にヤングが書いた『アイデアのつくり方』がある。 「アイデアは既存のものの新しい組み合わせだ」といったものヤングだ。 ほかにも「パレートの法則(80:20の法則)」など、100ページにも満たない本文の中でたくさんのことを教えてくれる。

(序文より) この小さな本のなかで、ヤング氏は、もっとも学術的で詳細な広告原論よりもさらに貴重なことを私たちに教えてくれている。 個々のコミュニケーションの骨や肉にあたるものだけではなく、その魂ともいうべきアイデアを語っているからだ。 生化学者は、大した費用もかけずに人間の肉体を組み合わせることができる。 しかし、人体に生命の火をスパークさせることはできない。 ヤング氏がここに書いているのは、創造のスパーク、アイデアなのだ。 アイデアこそが広告に精神と生命を吹きこむ。広告制作者がその手腕を発揮する上で、これより大切なものはない。 創造の過程における心の営みを記述するときのヤング氏は、 私たちのもっとも偉大な思索家たちの幾人かの人々の伝統に連列なる人物である。 バートランド・ラッセルアルバート・アインシュタインのような科学の巨人が、このテーマで彼とほぼ同じ趣旨のことを説いているということが、ヤングの偉大さの何よりの証しだ。 知識はすぐれた創造的思考の基礎ではあるが、十分でない。 知識は、よく消化されて、最終的に、新鮮な組み合わせと関連性をもった姿となって心に浮かび出てこなければ意味がない、という点で彼らの意見は一致する。 アインシュタインはこれを直観と呼び、直観だけが新しい洞察に到達する唯一の道だと言っている。 手に入れたアイデアが価値あるものかどうかは保証の限りではない。 このことを言ったのはヤング氏がはじめてだったのではないか。 アイデアの良し悪しは、遺伝子までも含めてあなたのもつすべての資質と能力できまるものだ。 しかし、ヤングがこの本で単純明快にまとめた手法に従ってアイデアづくりに取り組めば、あなたは自分の能力と素質のすべてを最大限に生かせることになるだろう。 この問題の核心に触れることができるのはヤング氏のおかげである。 長年にわたって広告活動に携った結果、適確でドラマチックなアイデアの作成がコミュニケーションを成功させる鍵だということを、彼は体得したのである。 彼はそのことを鮮明に私たちに理解させてくれるばかりでなく、その目標に向かってゆく道筋へも教示してくれている。 著者について アメリカ最大の広告代理店・トンプソン社の常任最高顧問。アメリカ広告代理業界の会長などを歴任。 広告審議会の設立者で元チェアマン。

『究極のセールスレター』 ダン・S・ケネディ

[caption id="attachment_258" align="alignnone" width="350"]『究極のセールスレター』 ダン・S・ケネディ 『究極のセールスレター』
ダン・S・ケネディ[/caption] この本は私が本書を書く上で最も参考にしたものでもある。 というのも、この本も広告を書くということをステップに分け、最初から順番に読み進めることで効果的な広告が完成するというコンセプトのものだからだ。 ダン・ケネディ以上にコピーライティングやマーケティングについて楽しく教えてくれる人間はほかにいない。 読み物としても非常に面白いうえ、参考になるセールスレターもたくさん載っている。これを利用しない手はないだろう。

内容紹介 初版から15年、米国で読み継がれる「超」定番。待望の日本版登場。 『究極のセールスレター』は全米中のダイレクト・マーケティングにかかわる人々が必ずと言っていいほど参考にするバイブルである。 実際、監訳者の神田昌典氏(『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『あなたの会社が90日で儲かるの著者』)をして「(本書で紹介されている)セールスの公式は、危険なほど効果的である。正直なところ、アカデミックにマーケティングを研究する人たちは、口が裂けても言えないセールスの真実であろう」と評している。 著者であるダン・ケネディは米国のダイレクト・マーケティング界のグルと呼ばれている人物。コンサルタント、あるいは、セールスレターのコピーライターとして一度でも雇ったことがあるクライアントのうち、繰り返して依頼をしてくれるところが約80パーセント。そして、彼が書いたセールスレターに対して、報酬は日本円にして200万円~300万円(!)、それに加えて使用回数と成果に基づくロイヤルティが払われている。 これほどのグルが実際に仕事をするうえで使っているのとまったく同じプロセスが本書では紹介されている。「お客を理解する」「売り物を理解する」といった 「超」基本的なことから、「文末の『追伸』の書き方」「封筒のデザイン」「文章レイアウト」など、プロならではディテールへのこだわりまでが解説されている。シンプルではあるが、一生役に立つ本と言える。 著者について ●著者略歴 ダン・ケネディ 米国のダイレクト・マーケティング界のグル。 新進気鋭のベンチャーから、2億ドル級の売上げを誇る大企業トップまで約100の企業とコンサルタント契約を結んでいる。また、セールス、マーケティング自己啓発を中心に年間10万人以上を対象とする講演をこなし、熱烈な支持を得ている。著作活動でも、『サクセス・マガジン』『USAトゥデイ』『セリング・マガジン』をはじめ多くの新聞・雑誌の激賞を得るヒット作を数々放ってきた。芸能界、スポーツ界、メディア界、政界にまで及ぶ幅広い人脈を持ち、当代随一の人間通として知られる。 ウェブ・サイト「ダン・ケネディ・コム」は月10万を超えるアクセスを誇り、北米を中心とする数千人にニューズレターを配信中。それらの究極の成果ともいうべきものが本書である。 邦訳された著書に、『究極のマーケティングプラン』『大金持ちをランチに誘え!』(ともに東洋経済新報社、2007年)、『常識の壁をこえて』(阪急コミュニケーションズ、2005年)、『ビジネス版 悪魔の法則』(ティビーエス・ブリタニカ、1999年)などがある。 ●監訳者紹介 神田昌典 (かんだ まさのり) 上智大学国語学部卒。外務省経済局に勤務後、ニューヨーク大学経済学修士ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。その後、米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントに。現在、企業家教育、加速教育等の分野における複数の会社を経営するほか、ミュージカルのプロデュースや小説執筆でも活躍。 著書に、『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『お金と正義』(PHP研究所)、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則』『仕事のヒント』(フォレスト出版)等、多数。

『営業の魔術』 トム・ホプキンス

[caption id="attachment_260" align="alignnone" width="338"]『営業の魔術』 トム・ホプキンス 『営業の魔術』
トム・ホプキンス[/caption] コピーライティングはセールスである。それは100年前から変わらないし、おそらく100年後も変わっていない真実だろう。 そうであれば営業について学ぶことは必ず役に立つ。この本の特筆すべき点は、大量のテクニックに溢れているということである。 実際の営業トークや、お客さんの見極め方など、今日にでも使えるテクニックが満載だ。 興味を持ってもらう声のかけ方や、クロージングの決め手となる言葉なども紹介してくれている。 それを広告でどう使うのか? 広告でそのように書けばいいだけだ。

内容紹介 営業の超プロとして大成功を収めた著者が、いかなる場面でも通用する営業の必須スキルと対人術を伝授。あなたの営業成績を爆発的に好転させる一冊! 初めは誰だってうまくいかない―ちょっとしたスキルとテクニックでトップ営業マンになった超プロがそのすべてのコツを伝授します。本書を読めば、きっとあなたも稼げる営業マンに変身できる!1980年の刊行以来、全米で「営業マンのバイブル」として読み継がれ、累計140万部を突破した名著。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ホプキンス,トム カリフォルニア生まれ。大学を中退し、建築業界で働いていたが、不動産営業マンのほうが「楽して儲かる」だろうと考えて転職。だが営業のノウハウをまったく知らずに始めたため、最初の半年間は失敗の連続。トップ営業マンになるには営業の仕方を修得する必要があることを痛感し、トップ営業マンの動きと癖、スキルとテクニックを観察しはじめた。その効果はすぐに成績に表れ、どん底の状態から真のトップ営業マンへと華麗な変身を遂げた。1976年に自身のスキルを伝授すべくトム・ホプキンス・インターナショナルを設立。今日では書籍、セミナー、ビデオなどを通じて、3万5000社以上の企業が彼の営業メソッドを活用している。現在もなお同社代表として世界中で活躍している

『営業の神様』 ジョー・ジラード

[caption id="attachment_261" align="alignnone" width="342"]『営業の神様』 ジョー・ジラード 『営業の神様』
ジョー・ジラード[/caption] ジョー・ジラードはギネスも認める世界一の営業マンだ。 自動車業界という厳しい場所でわずか3年で世界一とギネスが認め、引退するまでの12年間、その地位を守り続けた。 オイルショック原油価格が異常な高騰を見せるなか、彼は販売台数をさらに伸ばした。トヨタなど日本の自動車メーカーが市場を奪う中、彼だけは変わらず売り続けた。 この本を読むなら覚悟してほしい。読んだ後あなたは「儲からない」や「売れない」ことに関してどんな言い訳もできなくなる。不況であっても、ライバルが強力すぎてもだ。 もっとひどい状況の中でジョー・ジラードは自動車を売り続けたのだから。

内容(「BOOK」データベースより) 成功に奇策なし。ギネス認定セールス記録12年連続世界No.1、伝説の営業マンが教える本当に大切な13のルール。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ジラード,ジョー 1928年、デトロイトの下町、貧しいイタリア移民の家に生まれる。8歳から靴磨きを始め、新聞配達、皿洗い、ストーブの組立工、住宅建築業など40余りの職を転々としたのち、35歳でミシガン州のシボレー販売店でセールスマンとなる。わずか3年で自動車販売台数米国トップにのぼりつめ、4年目以降、引退までの12年間「世界No.1のセールスマン」としてギネスブックに認定され、今なおその記録は破られていない。また、営業マンとして唯一、米国自動車殿堂入りを果たす

『USP』 ロッサー・リーブス

[caption id="attachment_262" align="alignnone" width="339"]『USP』 ロッサー・リーブス 『USP』ロッサー・リーブス[/caption] USPという言葉を聞いたことがあると思う。マーケティング業界では長い間流行語となっていて、誰もかれもが「USPを探せ」と言っていた。 そのUSPという言葉を生み出したのがロッサー・リーブスだ。 そういう紹介の仕方をするとこの本はマーケティングの本だと勘違いしてしまうかもしれないが、これは広告の本だ。この本ほど広告のテストについて細かいことが書いてあるものは珍しい。彼の調査によると広告によって売り上げが下がっている企業がたくさんあるという。 なんということだろう。広告を出さないほうが売り上げが上がってしまうのだから恐ろしい。

内容紹介 世界28ヵ国語で刊行! 一流企業やビジネススクールで50年以上読み継がれた広告・マーケティングの名著 モノと情報が氾濫する現代社会で「売る」ために最も大切な事とは何か? USP提唱者による唯一の教科書 【本書の寄せられた推薦の言葉】 本書はクロード・ホプキンスの歴史的著書に勝るとも劣らない。すべての役員、従業員、クライアントに1冊ずつ配るつもりだ。 ―デイヴィッド・オグルヴィ(『ある広告人の告白』著者) これまでに読んだ広告本では出色。リーブスは、レーダーのごとく広告の霧を透視する。 ―ジェラードランバート(リステリンの名作キャンペーンを展開した広告人) 強力な広告の達人による妥協のない書物。完全かつ痛烈な解説。傑作。 ―ジョン・クライトン(元「アドバタイジング・エイジ」編集長) リーブスは広告理論の新たな地平を切り開いた。この本は広告を変える。 ―オスカー・ルーボウ(元ダニエル・スターチ&スタッフ社長) 著者について ロッサー・リーブス Rosser Reeves 1910年ヴァージニア州ダンヴィル生まれ。 ヴァージニア大学で学んだ後、リッチモンド・タイムズ・ディスパッチ紙の記者を経て、コピーライターとしてテッド・ベイツに入社。 類い稀なる才能を発揮するとともに、USPの法則を編み出して、同社を小さな広告会社から世界第四位の大代理店へと成長させる。 その活躍で「広告の殿堂」入りも果たした。 本書は、約三〇年にわたる経験で得た広告哲学の集大成として執筆された。 広告業を引退後も、さまざまな団体の役員、大学の理事、企業の社長や会長、共同経営者などを歴任。 1984年没。

『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』 寺本隆祐

[caption id="attachment_263" align="alignnone" width="343"]『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』寺本隆祐 『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』寺本隆祐[/caption] コピーライターとしてキャリアを積みたいのであれば余計な知識を得る前にまず読んでおきたい一冊だ。 だが、コピーライター以外にとっても学ぶべきことは多い。本書で紹介したメソッドのいくつかはこの本から学ばせてもらっている。また、繰り返し出てきているダイレクトレスポンスマーケティングという言葉だが、その定義、考え方についてもこの本で理解することができるだろう。リサーチからビックアイデアマーケティングにまで、知っておくべきことはすべてこの本から学べる。

■ 著者:寺本隆裕 累計107億円*をほぼウェブだけで売り上げたダイレクト出版株式会社、取締役兼セールスライター。月商3,000万円のマーケティング部門(【ザ・レスポンス】を運営)を任され、月商1億円以上を安定して売り上げる事業に育てる(メンバーは10名)(*自社調べ) クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、ライティング・プロジェクト1件で、上場企業のエリートサラリーマンの年収を大きく超える額をチャージし、さらにそこから売上の10%のロイヤリティがかかる。日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず、「書いて下さい」という人が後を絶たない。 著書には『ダン・ケネディに学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)、監訳に『オンラインコピーライターズハンドブック』『ウェブセールスコピーの法則』(共にダイレクト出版)などがある。 ■ こんな方へオススメ ・セールスライティング(コピーライティング)を身に付けたいけど、なにからはじめたらいいかわからない ・まずは副業から始めて収入を増やしたい。そして、リスクなく会社を辞めて起業したい ・「3日で100万稼げる!」といった胡散臭いものではなく、家族に見られても恥ずかしくないセールスレターで売上を上げたい ・ホームページやメルマガ・ブログ、Facebookなどを使って、売上を上げたい社長・起業家

『セールスライティング・ハンドブック』 ロバート・W・ブライ

[caption id="attachment_264" align="alignnone" width="347"]セールスライティング・ハンドブック 「売れる」コピーの書き方から仕事のとり方まで|ロバート・W・ブライ セールスライティング・ハンドブック 「売れる」コピーの書き方から仕事のとり方まで|ロバート・W・ブライ[/caption] 私は、コピーライターとしてのキャリアをスタートさせる前にこの本と出合えたことを、本当に幸運に思っている。 ロバート・W・ブライは80冊以上の本を書き、30年にもわたってダイレクトメール、パンフレット、ウェブサイトなど広告のすべてに関わってきた最高クラスのコピーライターだ。 古くから活動しているコピーライターの多くはウェブ広告が主流になる動きに適応できなかった。だが、彼は違う。ウェブ広告が存在しないころからコピーライターとして活動し、ウェブが登場してからはそれを最前線で活用し続けている。 また、海外の本を読むと翻訳のせいでコピーが伝わりにくくなるケースがあるが、この本にはそうした翻訳の摩擦がない。なぜなら日本の広告事例も紹介してくれているからだ。

内容紹介 広告の父デイヴィッド・オグルヴィ推薦!セールスライティング書籍の決定版!本書は「売る」ための文章を書くコピーライター(本書では「セールスライター」と呼ぶ)向けのガイドブックです。ただし、いわゆる広告系が主となる「コピーライター」向けの書ではなく、もう少し広い範囲での「広告ライター」「マーケティングライター」を対象としています。セールスライティングとは何かから始まり、媒体別のコピーの書き方、さらには仕事の取り方まで幅広い分野をカバーし、セールスライターとして押さえておくべき基本事項を網羅。また、各種チェックリストなど、実用的なヒントが複数掲載しています。米国で1985年に刊行されてから現在まで、セールスライティング書籍としては異例のロングセラーとなっており、最新版となる第3版ではウェブ系のSEO対策なども収録。本書では、原書のエッセンスを抽出したうえで、さらに分かりやすい日本語事例を収録していることがポイントです。コピーライターはもちろん、ダイレクトメールや自社のウェブサイトでの商品販売など、「売る」ための文章を書く人には必携の1冊です! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ブライ,ロバート・W. ビジネス・ツー・ビジネス、ハイテク、ダイレクト・マーケティングを専門とするコピーライター。25年以上にわたり広告、パンフレットやDM、セールスレター、広報資料、Eメールキャンペーン、ウェブサイトを100以上の企業向けに書いてきた実績を持つ。クライアントには、航空機メーカーのグラマン、工業材料メーカーのアライドシグナル、AT&TIBMルーセント・テクノロジーなどがある 鬼塚/俊宏 ストラテジィエレメント株式会社代表取締役社長兼CEO。マーケティングコンサルタント・セールスライター。経営コンサルタントとして、上場企業から中小企業はもちろん、著名な個人プロフェッショナルに至るまで、事業規模や業種業態を問わず、6年間で420社、1400案件以上のマーケティングコンサルティング業務を手がける。とくに人間の講買心理をついたセールスライティングを使った集客モデル構築と、利益率を向上させるビジネスモデル構築には定評があり、様々なビジネスプロデュースの案件を成功させるなど、多くの成功実績を持つ

『ウェブ・セールスコピーの法則』 マリア・ヴェローソ

彼女もロバート・W・ブライと同じく、ウェブ広告が始まる前からダイレクトメールなどの印刷広告を書き、そしてウェブの登場に適応しさらにキャリアを飛躍させたコピーライターだ。 もしもあなたがウェブ上でモノを売りたいのならば絶対に読んでおかなければならない一冊である。リアルの印刷広告とウェブ上の広告の違いを優れた視点から解説してくれている。 ウェブとリアルでは当然人の動きも違えば、心理状況も違う。そうした違いを理解せずにウェブでモノを売ることはできないのだ。

『費用対効果が見える広告』 後藤一喜

[caption id="attachment_265" align="alignnone" width="348"]『費用対効果が見える広告』後藤一喜 『費用対効果が見える広告』後藤一喜[/caption] 本書の最後で広告の反応を計測するということについて述べたが、『費用対効果が見える広告』はその点にフォーカスしている。 広告の効果を正確に測定し、改善していくということについてはこれを読むのが一番だろう。非常に上手く体系化されていて、図や写真を使うことで広告の効果という捉えにくい概念を見事に教えてくれる。 一般にダイレクトレスポンスマーケティングのコピーライターの書いた本を読むと、ダイレクトメールやウェブのセールスレターがメインになってしまう。ダイレクトレスポンスは効果測定が容易だからだ。だが、後藤一喜さんはチラシやポスターまで正確なレスポンスを計測し、売り上げに直結させるアイデアを教えてくれている。

内容紹介 不況だからこそ、効く広告がある!単なる通行人を「顧客」にする科学的な広告手法! 本書は、消費者からの直接販売反応をねらうダイレクトマーケティングで使われるレスポンス広告の初の実践マニュアルである。消費者が行動を起こす(資料請求、購買、来店)レスポンスのみに目的を絞り、通販会社をはじめ、保険、金融、飲食店、小売店、美容室、エステ/マッサージ系、カルチャースクール、塾など、さまざまな業種で活用され、すでに新聞などの紙面では6割を超えている。昨今の純粋広告の冷え込みに伴い、より「費用対効果」が求められるようになり、従来の効果測定ができない「イメージ広告」とは違い、脚光を浴びている「レスポンス広告」。媒体メディアは、従来の(最も利用者が多い)新聞・チラシ、ウェブまでをカバーし、媒体を選ばず、広告主と広告制作者の共通理解を促進させる「成功法則」を体系的にまとめる1冊。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 後藤/一喜 ダイレクト・マーケティングの世界に入って四半世紀、一貫して現場に従事。(株)カタログハウスにおいては、商品開発からカタログ制作、DM制作など、通販における実務を担当(商品開発部/マスコミ部・係長)。その後、電通ワンダーマン(企画推進部/クリエーティブ部・部長/執行役員)、(株)ユビキタス・コア(マーケティング・メディア部長)、(株)電通イーマーケティングワン(ディレクター室/クリエーティブ室・シニアマネージャー)を経て、現在は独立して(株)B2B2C代表取締役社長。広告主、メディア、商品開発、広告代理店の営業・企画、クリエーティブ、制作現場といった、さまざまな立場に実際に立った経験をもつ。代理店時代には、金融、通信、コンピュータ、住宅不動産、流通、メーカー(化粧品、煙草、清涼飲料水等のパッケージグッズから自動車や産業用機械)その他、あらゆる種類のクライアントを担当する。宣伝会議「SPプランナー養成講座」(ダイレクト・マーケティング)講師など。『宣伝会議』『販促会議』に寄稿多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

『あたりまえのアダムス』 ロバート・アップデグラフ

[caption id="attachment_266" align="alignnone" width="329"]『あたりまえのアダムス』 ロバート・アップデグラフ 『あたりまえのアダムス』
ロバート・アップデグラフ[/caption] 本書を読み、ここで推薦する本のいくつかを読んで、まだあなたが広告はクリエイティブなものであると思いたいなら、『あたりまえのアダムス』という短い本を読んでほしい。 この本が出たのは1916年。なんと本書執筆時点でちょうど100年になる。 この本に登場するアダムスは架空の広告マンだが、彼が物語の中で行ったことは、出版後数年~数十年間の間に広告業界で現実となった。 広告において大切なのはクリエイティブではなく、徹底して”あたりまえ”の事実をかき集める事だということがよくわかる必読の一冊だ。

内容(「BOOK」データベースより) 『あたりまえのアダムス』がはじめて世に出たのは、1916年、アメリカで最も歴史の古い週刊誌、サタデー・イブニング・ポストに発表されたときでした。本になったのは同年の9月。本は、はじめから飛ぶような売れ行きでした。登場人物「あたりまえのアダムス」は、すぐに伝説的キャラクターになりました。ビジネスの会議や役員室でも話題になりました。企業のトップは次々に手紙を送ってよこし、アダムスは実在の人物かと問いました。そうであれば、ぜひ仕事を依頼したい、というのです。彼の「あたりまえ主義」は、時代を代表する実業人たちの考え方にも影響をおよぼしました。現代の読者には少し古くさい物語に見えるかもしれません。しかし、この素朴な物語に描かれているのは、いつどこに行っても変わらない、基本的な考え方です。 内容(「MARC」データベースより) 凡庸と見られた男達が、エリート達にできなかった仕事を次々に成し遂げて周囲を驚かせる…。90年前に米誌『サタデー・イブニング・ポスト』に掲載され、今も各国で読みつがれている伝説のビジネス書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) アップデグラフ,ロバート 1889‐1977。実業家、コンサルタント、著述家。スカーズデール・ナショナル・バンク、ジュエル・カンパニー、W.T.グラントの取締役を歴任。アルコア、ゼネラルフーズ、ケロッグなど、一流企業のトップ経営者にも長年にわたり助言を与え続けた。そのかたわら、雑誌記事から単行本まで数多い作品を発表。1916年に発表された『あたりまえのアダムス』は全米ベストセラーになった

『10倍売る人の文章術』 ジョセフ・シュガーマン

[caption id="attachment_267" align="alignnone" width="343"]『10倍売る人の文章術』ジョセフ・シュガーマン 『10倍売る人の文章術』ジョセフ・シュガーマン[/caption] この本に書かれているのは、シュガーマンがかつておこなった30万円以上もするセミナーで教えていたことである。 それを表現豊から伝説級のコピーライターが本にしている。読んでいるとまるで自分がセミナー会場にいるような錯覚に陥るほど興味深く鮮明に書かれているのだ。 特に第二部の公判で書かれている22の心理トリガーは必見だ。あなたが書いた広告を見てほしい。この22のテクニックのうち、今からでも使えるものが2つ3つ見つかるはずだ。

内容紹介 この本の英語版が日本で5万円もの高値で売買。幻の名書が初めて日本語で読める! 営業マンは、ゼロ人。いっさいの対面販売なし! まさに“宣伝文だけ”で売りに売ったシュガーマンの特別なテクニックと、思ったとおりに相手に読ませ、信頼させる文章術のエッセンスを一冊の中に凝縮。 日米のマーケターの間で伝説化されている本書の著者、シュガーマンこそ、腕時計・サングラス・家電品等あらゆるものを通販で売り、莫大な富を築くことに成功した本物のカリスマだ。シュガーマンの成功理由は、大金を投じた宣伝力にも、際立った商品力にもない。彼の書いた文章に「爆発的な集客力」があったからなのだ。 シュガーマンが莫大なコストをかけて身につけ、彼のセミナー受講者が大金を払って学んだ、売るための文章術とマーケティング上の貴重なノウハウが、本書を読むことによって周囲の誰よりも早く身につくだろう。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) シュガーマン,ジョセフ 全米屈指の宣伝、広告文の書き手であり、通販事業で伝説を作り上げたパイオニア。1971年、みずからの会社JS&Aで、グラフィック以上にコピーを重視した全面広告を用いた販売手法で大成功をおさめる。79年にはその年を代表する「ダイレクトマーケティングマン」に選ばれ、91年にはダイレクトマーケティングへの長年の功績に対して「マクスウェル・ザクハイム賞」を受賞した 金森/重樹 1970年生まれ。東大法学部卒。ビジネスプロデューサー。投資顧問業・有限会社金森実業代表。物件情報の提供から、融資付け、賃貸募集の支援まで行う会員組織「通販大家さん」を運営し、会員が億単位の資産形成をするのをサポート(会員数1万7000人)。読者数10万人のメールマガジン「回天の力学」の発行者として、マーケティング業界でも著名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

『ハイパワーマーケティング』 ジェイ・エイブラハム

[caption id="attachment_268" align="alignnone" width="339"]『ハイパワーマーケティング』ジェイ・エイブラハム 『ハイパワーマーケティング』ジェイ・エイブラハム[/caption] たとえどんなビジネスをやっているにせよ、地球上で人間相手にビジネスをしている限り、この本から学ぶことがないということはありえない。 ここから学べることは広告だけではない。本当にビジネスをやって行く上で学ぶべきことのすべてが学べるのだ。もちろん経理や税金の計算などは書かれていない。だが、商品を開発し、お客さんのもとに届け、ビジネスを発展させていくという流れの中で必要なことはすべてジェイ・エイブラハムが教えてくれる。 また監訳を務められた金森重樹さんのあとがきからも価値の高いことを学べる。あとがきから大きな学びがあるなど、なかなかあることではない。必読書だ。

著者からのコメント ■マーケティングバイブル 勉強熱心なあなたならば、本書に書かれた内容をよんで、『あれ?このテーマはこの著名マーケターが書いていた内容と同じだ。』とか、『あのテーマは別のマーケターが書いていた内容と事例までそっくりだ』などと感じられるかもしれません。そして、もしかしたらあなたは、この本は日本で書かれたいろいろなマーケティングに関する書籍の寄せ集めなのではないのかと思われるかも知れません。 事実は、まったく逆です。 本書は、日本のマーケターと呼ばれる方達の多くが、長い間マーケティングの教本として学び、あるいはニュースレター、小冊子、著書のネタ元として『最大限活用してきた』書籍なのです。 本書は2001年にPHP研究所から『お金をかけずにお金を稼ぐ方法』として出版され、絶版になったあとも、マーケターの間では高く評価され、定価の10倍近い金額のプレミアムがついて取引されてきました(尚、本書にはPHP研究所が翻訳の際にカットした部分が収録されています)。 実は、彼らの多くは出典を明らかにすることなく、あたかもそれを自分のノウハウであるかのように唱ってビジネスを行ってきています。 ですから、勉強熱心なあなたが本書の内容のいくつかを、日本のマーケターの書籍を通じて以前に読んだ事があるとしても何らの不思議もありません。 僕も、日本においてJAYのノウハウの実践者が多くなることは意味のあることだと考えていました。 しかし、次第にJAYのノウハウを日本に導入してきたマーケターの書籍の読者による、二次的な模倣が行われるようになりました。 そのような模倣は、JAYの原典に当たることなく、原典のコンテクストを無視してノウハウだけが切り取られたものであったため、あたかも『伝言ゲーム』によって、オリジナルの内容が歪められていくように、次第にそれが誤った解釈をされるようになりました。いわば、JAYの劣化コピーが再生産されていくことになったわけです。 ここにおいて今一度JAYの原典を日本の読者の方に直接知っていただく機会を作ろうと思い、監訳を決意するに至りました。 本物だけが伝えることのできる内容をお伝えしたかったからです。 ■本物だけが持つパワーを感じてください 何事も、本物といわれるものには、コピーでは感じられない真実が含まれているものです。 また、このような本物は長い年月が経ってもその価値が失われることはありません。 これからマーケティングを学ぶ方、すでにマーケティングの知識を一応は習得してしまったという方、マーケティング業界に携わるプロの方、その方のステージに応じて本書が気付きを与えてくれること請け合いです。 さあ、本書を今すぐ手にとって、ジェイ・エイブラハムの世界を楽しみましょう。 監訳者 金森重樹 出版社からのコメント 伝説のマーケティング・バイブル 全米ベストセラーが遂に上陸。米国トップコンサルタントであるジェイ・エイブラハムが、そのマーケティングの極意を書き記した『ハイパワー・マーケティング』。業界を制圧し、他社を圧倒的なパワーで凌駕するノウハウが、豊富な事例と共に説かれる。 卓越の戦略、アップセル/クロスセル、USP、先制のマーケティング、リスク・リバーサル、BTRF、A/Bスプリット、紹介システム、ジョイント・ベンチャー……すべてはこの1冊から始まった! 著者について ジェイ・エイブラハム JAY ABRAHAM 全米NO.1コンサルタント IBMマイクロソフトシティバンク、チャールズシュワブをはじめとする400社以上のコンサルティングに携わり、その業績拡大に大きく貢献をする。カリスマ・コンサルタントとして、世界中に熱烈なファンを持ち、1回のセミナー参加料金は100万円を超えるほど。カリフォルニア州パロスヴェルデスで妻子とともに暮らしている。

脳科学の天才苫米地英人の|「頭のごみ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める

[caption id="attachment_223" align="alignnone" width="469"]「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める|苫米地英人 「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める|苫米地英人脳科学の第一人者が贈る”超”集中力の本[/caption]

脳科学の第一人者「苫米地英人」とは

ビジネス書や啓発書、実用書を初めて紹介するときは、著者の紹介から入るのがベターだと思います。 というのも、ビジネス書などは「どんなテーマで書かれたか?」よりも「誰が書いたか?」のほうが圧倒的に重要だからです。 大して成功していない人が書いた成功哲学。実績がない人のノウハウ本。こうした本ほど時間を無駄にするものもありません。 本を選ぶ基準は人それぞれで、本屋で人気コーナーに置かれているものや、ベストセラーになった本、好きな著名人が帯に起稿している本など、いろいろあります。 私自身は、”著者”というくくりで本を選ぶことをお勧めしています。実績があり、文章に説得力があり、自分と考えの合う著者を見つけられたら、それは一生の宝物。 あなたにもそんな著者と出会ってほしいと思います。 ということで、私にとっては一生の宝物である”苫米地英人氏”を紹介します。 本書の著者 苫米地英人氏は1959年東京生まれの認知科学者。科学者としての専門分野は機能脳科学、計算言語学認知心理学分析哲学、計算機科学離散数理、人工知能と非常に多岐にわたり、コンピュータ科学の分野で世界最高峰のカーネギーメロン大学で、日本人として初めて計算言語学の博士号を取得した大天才。 オウム真理教事件では、信者に対する脱洗脳の国家プロジェクトにも携わっていました。 主な著書(今後GraspMindで紹介したいもの)には以下があります。 ・いい習慣が脳を変える 健康・仕事・お金・IQ すべて手に入る!「言葉」があなたの人生を決める残り97%の脳の使い方~人生を思い通りにする!「脳と心」を洗う2つの方法~洗脳原論ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)君は1万円札を破れるか? プロフィールを見ると「教授」「博士」や「代表」「CEO」「会長」といった肩書が並んでいますが、全部を紹介するととんでもない量になるので割愛。 いつか、苫米地英人氏について、もっと語る機会があればと思います。 [caption id="attachment_224" align="alignnone" width="660"]天才脳構築プログラム|苫米地英人 とてつもなく幅広い分野で超一流である苫米地英人氏は『人工共感覚生成と右脳ウェルニッケ超覚醒特別セッション』と称してライブを行っている[/caption] 今回紹介したいのは『人工共感覚生成と右脳ウェルニッケ超覚醒特別セッション』での苫米地英人氏です。 ちなみに、このプロフィールは今回紹介する本とは何の関係もなくて、ただ私自身がギタリストなので紹介したいというだけです。 (興味ない人は本題に飛ぼう!) ↓ 本題 年間2000冊以上の論文を読まないといけない海外の大学時代、クラスメイトが死に物狂いで勉強している間、持ち前の天才ぶりでギターを弾きまくっていたそう。 プロ顔負けのギターテクと世界最高峰の脳科学の知識、数多くのセミナーや著作、プログラムの中で完成した自己啓発。 それらが組み合わさり、ありえない化学反応を起こした結果が『人工共感覚生成と右脳ウェルニッケ超覚醒特別セッション』です。 ライブハウスで爆音を鳴らし、自身もギターを演奏しながら自己啓発や能力開発について語る。 主な趣旨は共感覚と右脳の活性化により「天才になるための方法」を教えるというもの。10万円を超えるセミナーのカリキュラムに「苫米地博士の激レア機材、苫米地流特別カスタマイズギターの紹介」というものがあるから驚きだ。

共感覚とは… ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする(女性の高い声を「黄色い声」などと言うように)。 この感覚が優れている人は芸術や音楽、数学などで秀でた成績を出し、いわゆる”天才”と呼ばれることが多い。 博士曰く、先天的なものとされる共感覚も後天的に身に着けることができるそうだ。

ざっくりまとめると、苫米地英人氏はどことなく胡散臭いが、圧倒的な頭脳とそれを裏付ける実績を持つ、どこまでも魅力的な人物だ。 彼の著書が人生において役に立つか、彼の人柄が好きになるかは人それぞれだと思う。 ただ私個人としては、彼の本から多くを学んだし、たまらなく好きだ。

手に入れたはずの集中力、記憶力、発想力はどこに…?

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚めるは2014年に発売された本だから、この手のジャンルにしてはとっくに風化してしまったかもしれない。 このタイミングで本書を紹介したのには2つの理由があります。 一つ。このメディアを立ち上げたから。 当時は本を紹介するメディアを自分で持っていなかったら、これは当然。 二つ。3年ぶりに読んで愕然としたから。 実は『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める』は3年ほど前に一度読んでいました。 以前読んだときに「頭のゴミ」捨てて、圧倒的な記憶力や集中力、発想力を身に着けたつもりだったが、そんなことはない。3年の間にまたゴミだらけになっていた。 やはり、凡人は一度学んだだけじゃ変われない。繰り返し継続的に学び、学んだことを意識的に実践する必要がある。 ひょっとすると、「読んだ内容を忘れて元に戻ってしまうなら読む価値がない!本当にいい本は一度読んだらずっと心に残るものだ」と考えている人もいるかもしれません。 確かにその通りかもしれない。 ただ、コピーライターとして独立し、3か月で3冊の本を出版し、自分の生活が大きく変わったのは、ちょうどこの本を読んだ後ということだけは伝えておきたいと思います。 そして、本当に大切な本は何度も読む価値があるし、何度でも読むべきということも、初めに伝えおきたいと思います。

生産性を下げる「感情のゴミ」を捨てる

”やる気スイッチ”を持っていますか? あなたの職場にもいると思います。しょっちゅうコーヒーを入れに行く人、会議や打ち合わせの前に必ず煙草を吸う人。何かよくわからないジンクスを持っている人… 苫米地英人氏は、頭のゴミを捨てれば、やる気スイッチは必要なくなるといいます。 そもそもなぜ”やる気”が必要なのか? それは「私たちが感情に支配されている」からです。 感情は、脳の”大脳辺縁系”にある”扁桃体”がつかさどっています。 ”扁桃体”は古い脳で、より根本的(生命を維持するために必要)な感情を持ちます。

”古い脳”とは、原始的な哺乳類や爬虫類など、人類以前から存在する脳をさし、生死や生殖など、非常に重要な機能を持ちます。対して、大脳新皮質など人間の脳に特異的な部位を”新しい脳”と呼ぶことがあります。

多くの人は”扁桃体”が出す感情に支配されています。 ”いやなことがあった”。だからやる気が出ない。 ”嫌いな奴がいる”。だからやる気が出ない。 ”プレッシャーがきつい”。だからやる気が出ない。 そうした感情に支配されているから、”やる気スイッチ”がないと何もできなくなってしまいます。 苫米地英人氏は「感情は単なる生理反応で、振り回されることは無駄でしかない」と言い切ります。 そして、感情に振り回される状態を「抽象度が低い」といいます。 抽象度とは物事に対する視点の高さ。具体的に言うなら”情報量”を表します。 例えば、「私個人」は非常に抽象度が低い状態です。私個人に対するどんな説明も、私個人を表すためにしか使えません。当然、あなた個人に対しても同じことが言えます。 逆に「人間」だとどうでしょう。これは非常に抽象度が高い状態で、私とあなたを同時に表します。 上にあげた”いやなことがあった”、”嫌いな奴がいる”、”プレッシャーがきつい”というのは、すべて自分自身に対して、つまり抽象度が低い状態で起こる感情です。 では、どうすれば抽象度を上げ、感情のゴミを捨て、やる気スイッチに頼らずに安定してハイパフォーマンスを出し続けられるのでしょうか? 苫米地英人氏が教えるアドバイスは「感情を娯楽化する」というものです。 現代の日本で暮らす私たちにとって、ほとんどの感情は必要のないものです。 というのも、感情の多くは生命維持のために存在しており、現代の日本で生命維持のために感情が必要になることはめったにないからです。 社会の中で生まれる嫉妬や後悔、怒りなどの感情は、小説を読んで感じる「楽しい」や「面白い」と同じ、娯楽です。 映画を見て、架空の悪役に怒りを覚えたり、現実には存在しないヒロインに共感して悲しんだりする。これは自分自身と映画の登場人物を、抽象度を上げて客観視しているからできることです。 そして、映画を見て怒りを覚えたからといって、それを翌日の仕事や家庭に引きずることはないと思います。それは、あくまでも娯楽として、それらの感情を味わっているからです。 これができれば、昨日いやなことがあったから今日のパフォーマンスが落ちることも、会社で失敗したから家に帰って家族にあたることもありません。 感情はあなたのパフォーマンスを低下させる最も大きなゴミです。

「他人のモノサシ」というゴミを捨てる

「自分って何?」 この質問に答えるのは簡単ではありません。 自分自身の説明をする際、名前や出身地、職場、性格などを伝えると思います。 しかし、それらはあなた自身の存在を説明するものではなく、「他人と比べて自分はこう」という情報でしかありません。 自分を定義する際に使う情報はすべて、他人の情報になります。”自分”という存在は「他者との関係にまつわる情報」の集合体なのです。 ここから導かれることは、あなたの価値観や判断基準、生き方などのすべては”他人からインプットされたものである”ということです。 それが、本章の題である「他人のモノサシ」というゴミです。 これを認識していないと、欲しいものをすべて手に入れても充実感が得られません。 車が欲しいと思ったとき、それは本当にあなたが欲しいと思ったのでしょうか。 車に乗った幸せそうな家族の話を聞いて、「車を買ったら幸せになれる」と感じたからではないでしょうか? スーツをパリッと着た仕事ができそうな外国人が、海岸沿いを走っているCMを見て、「車を買えばこんなビジネスマンになれるかも」と感じたからではないでしょうか? 当然、車を買ったからといって、幸せな家庭が手に入るわけでも、ビジネスマンとして成功するわけでもありません。 成功の定義として「仕事をリタイヤしてハワイで過ごす」というものが流行りました。 ビジネスマンとして数億円を短い期間で稼ぎ、ハワイに別荘を買って悠々自適な生活をする。巷の成功哲学書ではよくある例です。 これに対し苫米地英人氏はこういいます。

「1年の半分をハワイで過ごす」ことが「自由」だという考えのなんと不自由なことでしょう。ハワイに行かないとその人は自由を感じることができないのですから。そもそも「ハワイ」と「自由」が結びついているのがメディアの刷り込みの結果です。ハワイと自由とは何の関係もありませんよね。

メディアの刷り込みの結果、幸せな家庭にはいい車がないといけない、優秀なビジネスマンは高級セダンに乗らなければならない、成功者はハワイに別荘を買わなければならない、となっています。 しなければならない(have to)と、したい(want to)がごっちゃになっています。 これが、第二の頭のゴミである「他人のモノサシ」です。

あなたは自分なりのモノサシで自分の価値を計ればよい。自分のモノサシで自分の仕事ぶりを評価し、自分のモノサシでワークライフバランスを計り、自分のモノサシで自分の働き方・生き方を決めていけばいいのです。

他人との比較、社会との競争、常識、周囲の目 これらすべて「頭のゴミ」と割り切って捨てることで、本当に欲しいものが見え、あなたが持つ本来の価値を発揮できるようになります。

「これまでの自分」というゴミを捨てる

「もしあの大学に合格していたら…」 「もしあの会社に入っていたら…」 「もしあの時失敗していなかったら…」 このように「あのときああしておけばよかった」と考えることに何の意味もありません。 仮想の自分や過去の自分にしがみついているだけで、捨てるべき「頭のゴミ」です。 人間の脳は非常に優秀に見えて、非常にさぼり癖があります。 ”今目の前にあるもの”をありのまま捉えると情報量が多く、脳にとってはストレスです。だから、脳は過去の記憶から勝手に現実を作り出します。 これは脳のRAS(網様体賦活系)の働きによるものです。本書では、脳科学である苫米地英人氏がRASの働きについてわかりやすく説明してくれます。 あなたが重要だと感じているものや大切にしていること、信念、願望、夢や目標なども、昨日までのあなたがそう判断していたものを、今日も同じように判断しているだけなのです。 あなたが新しい本を読んで何を感じるか、セミナーに行って何を学ぶかは、今日のあなたが決めるのではなく、昨日までのあなたによって決められているのです。 あなたが今日を機に変わりたいと思うなら、「これまでの自分」をリセットする必要があります。 しかし、過去の自分を捨てることは簡単ではありません。 どうしたって過去の自分は存在していますし、脳は昨日までをもとに今日を生きるようにできてしまっているからです。 しかしそれも「過去の延長線上に未来がある」という前提で物事を見ているからだと、苫米地英人氏は言います。 アビダルマ仏教哲学では、「時間は未来から現在、過去へと向かって流れている」と教えています。 例えば、コンビニでご飯を買おうとしたらレジが混んでいたとします。あなたは「ついてないな」と感じながら別のコンビニに入ります。すると、次に入ったコンビニでは欲しかったお弁当が2割引きで売っていました。あなたは「ラッキー」と思ってそのお弁当を買って帰ります。 似たような経験はあると思います。 しかし、この短いエピソードの中には非常に多くの学びがあります。 最初、レジが混んでいることについて、あなたは「ついていない」と感じました。しかしそのあと、欲しかったものが安く買えて「ラッキー」と感じました。 過去の出来事に対する気持ちが、未来によって変えられたのです。 過去の経験が今のあなたに影響するのではなく、今、そして未来の経験が過去を意味づけるのです。 常識的に考えると、過去の自分を捨てることはできません。過去があって今があり、今があって未来があるという前提で生きているわけですから。 しかし、過去ベースの考え方を捨て、未来ベースの考え方に切り替えることで、「これまでの自分」というゴミを捨てることができます。 自分の未来は最高であると確信して生きる人は、過去の自分も今の自分も最高の自分になります。

「マイナスの自己イメージ」というゴミを捨てる

まず、世界は言語できています。 法律も規則も、上司の指示や評価も、すべて言語が並んでいるだけです。ただ言語が並んでいるだけで、私たちの生活や価値観をコントロールしているのです。 そして、言語と現実世界は必ずしも一致しません。

例えばデリバティブ(株式・債権・金利外国為替等の原資産となる金融商品から派生して生まれた金融商品。将来、売買する権利をあらかじめ売買する取引など多種多様な取引がある)商品の一つであるるCDSの合計の想定元本は7000兆円とされています。しかし現実にはその7000兆円はどこにもないのです。デリバティブの方程式を作る時に決められた想定元本の合計が結果として7000兆円だったというだけ。7000兆円は方程式の中にしかありません。 FXだともっとわかりやすいでしょう。FXのレバレッジは2011年8月より50倍から25倍になりましたが、これは原子が1万円の場合、25万円の想定元本まで取引してよ言うということ。しかし、24万円というお金は実際にはどこにもありません。FXのルール上「あることにしてよい」というだけのこと。

苫米地英人氏は上記のような例を挙げています。確かに、お金の世界では、そのほとんどが現実世界のものではなく、言語、数字の中でのみ存在し、トレーダーや金融関係者、投資家を右往左往させています。 これまでに「感情」や「他人のモノサシ」「これまでの自分」といったゴミを紹介してきましたが、それらもすべて言語でできています。 つまり、頭のゴミはすべて言語でできているのです。 そして、あなたが最も多く言語を交わす相手は、あなた自身なのです。 人は、他人と話したりメディアから取り入れる情報の何倍も、自己対話で自分自身と会話をしています。 困ったことに、自己対話の大半はネガティブなものです。 あなたの自分自身に対するネガティブなイメージのほとんどは、あなた自身の自己対話で植え付けたものなのです。 ある研究によると、私たちは1日に100回、自分を定義する言葉を口にしたり、心の中で発したりしているといわれています。 「口下手だから」「人見知りだから」「そんなに頭良くないし」「学歴もないし」「根気があるほうじゃないし」 そうした言葉を自分自身に投げかけ、そしてその通りに行動しているのです。 厄介なことに、自己対話は失敗や公開など、ネガティブなもののほうが多く、さらに行動に反映されやすいのです。 これも人類の進化の歴史によるもので、生命を維持するためには、同じ失敗を繰り返さないことが重要だからです。だから、脳は失敗体験を強く反芻し、記憶するのです。 失敗を反芻し続けるより、成功を反芻したほうが幸せになれることは間違いありません。 ですから、「マイナスの自己イメージ」は頭のゴミなのです。 自己評価を下げる原因となる人を「ドリーム・キラー」といいます。 ドリーム・キラーには2種類いて、”他人”と”あなた自身”です。 他人に自己評価を下げられないためには「他人のモノサシ」というゴミを捨てるところで紹介したように、他人から与えられる評価を切り分けて考えることが重要です。 また、他人は過去のあなたを見て評価しているのですから、未来ベースで考えることができれば、他人に自己評価をコントロールされる心配はありません。 そして、最大のドリーム・キラーであるあなた自身に対しては、自己対話を変更する必要があります。 この項で最初に述べた「言語」と「現実」は一致しないことと、あなた自身の自己対話の大半はネガティブであることを意識すれば、自己評価を高く持つことができます。

「我慢」というゴミを捨てる

他人のモノサシによって、しなければならない(have to)としたい(want to)がごっちゃになっていることが、集中力が続かない理由、発想力や生産性が上がらない理由になっていることは伝えました。 とくに社会では、「やりたいこと」よりも「やらなければならないこと」のほうが圧倒的に多く、我慢ばかりかもしれません。 前項で自己評価について述べましたが、”我慢”も自己評価を下げる大きな要因です。 「やりたくないことをやらされている」という感覚は、あなたの自己評価を大きく傷つけているのです。 この状態では、パフォーマンスを発揮することはできません。 あなたが自分の力を発揮できていない、生産性が低い、アイデアが出ないと感じているならば、”我慢”が大きな原因になっているかもしれません。 我慢というゴミを捨てるために、苫米地英人氏はこのような思考実験を教えてくれます。

①まず、「やりたくないこと」を書き出します。数は5個から10個。それ以上書きたい人はいくつかいても構いません。中身は仮定のことでも仕事のことでもなんでも結構です。 ②次に、その「やりたくないこと」リストの中で、一番やりたくないことを選びます。 ③そして、その「一番やりたくないこと」をやめてみる、ということがすぐにできればよいのですが、多くの人はそこで躊躇してしまいます。ですから、まず思考実験の中で、一番やりたくないことをやめてみるのです。

例えば、付き合いたくない取引先があるとします。どうしてもそことの取引をやめたいと感じているならば、やめたらどうなるか想像してみましょう。 その取引先があなたの売り上げの25%を占めているならば、あなたの売り上げが4分の1下がります。 それは許容できませんよね。 しかし、我慢というゴミを捨てたあなたはより高いパフォーマンスを発揮できるはずです。 失った売り上げを既存や新規の取引先でカバーできないでしょうか。 もしくは、いやな取引先との付き合いに使っていた時間、労力を使って後輩育成や業務改善に貢献できないでしょうか。 やりたくないことをやらされている状態なら、あなたの自己評価は大きく傷つき、パフォーマンスが下がっています。 やりたくないことをやめるリスクはもちろんありますが、それによってあなたの実力が最大限発揮されるなら、十分リカバリーできます。 思考実験の中でやめてみると、案外やめても大丈夫なことが多いと気づくでしょう。

「自分中心」というゴミを捨てる

ここまでで、これまでの自分や他人のモノサシ、我慢など様々な頭のゴミを捨てる方法を紹介してきました。 しかし、大切なことは頭のゴミを捨て、空っぽで本来の能力を発揮できるようになったあたなに「何を選び、インプットすべきか」ということです。 そのためには明確なゴールが必要です。 自分はどうありたいのか、幸せとは何なのか、といった根源的な考えに基づくゴールです。 本項の「自己中心」というゴミを捨てることは、ゴールを見つけるために必要なステップです。 自己中心という考えのもとでは、本当のゴールは見えてきません。 なぜなら、より深い幸せとは「自分だけ」では達成し得ないものだからです。 苫米地英人氏は「自分だけの幸せ」は大脳辺縁系の偏桃体から発せられるサルやゴリラの幸せだと言い切ります。 人間の幸せには、他人への貢献感が重要なのです。発達心理学でいう「自己実現」や「自己超越」が本当の幸せなのです。 おいしいものを食べて感じる幸せは、サルやゴリラと変わりませんが、「この幸せを多くの人に味わってほしい」と感じて行動し、感じる幸せは人間の幸せです。

自分以外の人も一緒に幸せになってこそ、人間の幸せである。 人間の幸せとは、必ず自分以外の人が含まれているもの。だから「自分だけの幸せ」というものはあり得ない

つまり、人間の幸せとは「自分が何をすれば他人が喜ぶだろう?」という視点で考えて見えてくるのです。 「ハワイに別荘を買って…」というゴールは、幸せに基づいたものではなく、他人のモノサシで植え付けられたものです。 あなたにとって本当のゴールをみつけるには「何が自分にとって幸せなのか」を考えることです。 そして、幸せは自己中心を捨て、他人の幸せのために何ができるのかを考えた時に見えてきます。

「恐怖」というゴミを捨てる

恐怖の感情を克服できるかどうかでゴールを実現できるか否かが変わってきます。 「感情」のゴミを捨てるの項で、現代の日本で暮らす私たちにとって、ほとんどの感情は必要のないと述べました。感情の多くは生命維持のために存在しており、現代の日本で生命維持のために感情が必要になることはめったにないからです。 そして、その中でも特に必要ない感情が「恐怖」と「不安」です。 あなたが頭のゴミを捨て、本当のゴールを見つけたとき、今の仕事をやめる必要があるかもしれません。 ゴールのために仕事をやめる場合、「働かないと食っていけない」といって実現できない人がほとんどです。 しかし、「食っていけない」という感情こそが、捨てるべきゴミなのです。 「食うために働く」ことをやめれば、ゴールに向かって一直線、最高パフォーマンスで駆け抜けられます。 そもそも働けないと食っていけないというのは本当でしょうか? この「食えなくなる」という恐怖は、人類の歴史を通じて刷り込まれてきたため、非常に強い感情です。人類が誕生して600万年間、ごく最近までを除いて飢餓の恐怖とともに生きてきたからです。 でも、現代の日本において飢餓の恐怖は必要ありません。 最低限の生活を保障する制度もたくさんあるわけですから、「生活できなくなる」「食えなくなる」という恐怖は意味を持たないのです。 仕事をやめて、起業して、うまくいかなかったら? 雇ってくれる会社を探せばいいのです。起業経験は貴重ですから、もとよりいい仕事に恵まれる可能性も十分にあります。 贅沢を言わなければバイトでも生活は十分にできますし、そこからまたゴールに向かって進めばいいだけです。 ゴールに向かうとき、食えなくなるや生活できなくなる不安から行動できないのなら、それは必要のない不安です。 少し考えたらそうした不安や恐怖が必要ないことがわかるでしょう。 もしもまだ不安があるのなら、生活保障や失業保険などを調べてみてください。「生活する」「食っていく」ことがいかに簡単かわかるでしょう。 そしてもう一つ。 「これまでの自分」というゴミを捨てる項で話しましたが、自分の未来は最高であると確信して生きる人は、過去の自分も今の自分も最高の自分になります。 つまり、明確なセルフイメージとゴールを持っている人にとって、”失敗”はあり得ないのです。 たとえ困難や、他人から見た失敗にあったとしても、未来ベースで考えれば、未来の成功のための出来事でしかありません。 失敗を恐れる必要もないのです。 苫米地英人氏は「怖がっている暇があったら行動せよ」と教えてくれます。 全ての感情は娯楽なのですから、娯楽に浸っている暇があったらゴールに向かって進め、ということですね。 「食うために働く」必要はなく、「食えなくなる」恐怖に意味はありません。 会社を辞めることやゴールに向かって行動することに、計画は必要ありません。失敗がありえないのですから、「考える前に行動」のほうがはるかに効率的です。 また、事前に考えてわかることよりも、行動して初めて見えてくるもののほうがはるかに多いので、その点でも計画は不要です。 そして、恐怖に限らずほとんどの感情は意味がないので、娯楽としてたまに楽しむくらいで十分。

まとめ

苫米地英人氏が、本書を総括することばを述べています。

「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトが作られる

  ゴールは抽象度が高く、現状の自我は抽象度が低い位置にあります。感情や他人のモノサシ、これまでの自分といったゴミを捨てることで、抽象度の違いが見えるようになります。 そして、自己イメージや我慢、恐怖といったゴミを捨てることで、本当のゴールが見えてきます。 その2つをつなぐのが、臨場感です。 このレビューの中では省きましたが、人間の体には「ホメオスタシス」という機能があります。ホメオスタシスについては苫米地英人氏の著書の中で頻繁に出てくるので、本書を読んだ際には注目してみてください。 強い臨場感を持つことでホメオスタシスが働き、現状よりもゴールにセルフイメージが近づき、「ゴールに到達した自分こそが本当の自分で、今の自分は本当の自分じゃない」という気持ちになります。 これは、行動するうえで非常に大きな推進力になります。 ゲシュタルトとは、部分と全体の関係性を表し、その関係性を認識する能力を「ゲシュタルト能力」といいます。 ゲシュタルトにより、部分にフォーカスすることも、全体を俯瞰することも自在にできるため、ゴールまでの道のりで迷う意必要がありません。 部分にフォーカスして”今やるべきこと”を認識し、行動することも、全体を俯瞰し”自分は正しい方向に進んでいるか”、”この道の先には望んでいるものがあるか”を確認できるからです。 ゲシュタルトについてより砕いて説明してみます。 例えば、あなたが鳥を見た時、初めて見た鳥であっても「鳥」であることを認識できると思います。 私があなたのもとにアフリカの密林にだけ生息している鳥を捕まえて見せても、あなたは「名前は知らないけど鳥でしょ?」となるわけです。 これはスズメやカラスなど、部分で認識していた「鳥」という概念を、高い視点から俯瞰することで、初めて見るものにたいしても共通部分や「鳥」の定義から、「これは鳥である」という答えを導きだしたのです。 これがゲシュタルトです。 いわゆる「IQが高い」という人は、このゲシュタルト能力が高いのです。 人に与えられる情報は基本的に部分にフォーカスされています。しかし、ゲシュタルト能力が高いと、抽象度を上げて俯瞰し、一つの部分をより大きな全体にあてはめて考えられるため、知識の量が圧倒的に増えるのです。 いわゆる「1教えて10できる」タイプと「10教えても1しかできない」人の差です。 アイデアマンはゲシュタルト能力が高いため、一つのものを見ても、抽象度を上げ、他のものと組み合わせます。 普通のゲシュタルト能力では、初めて見る鳥を見て鳥と認識することはできても、さらに抽象度を上げ、機械工学や宇宙物理、ビジネスにまで広げることは難しいでしょう。 しかし、それを行ったから、飛行機やドローンは生まれ、力学の研究が進みさらに多くのものが生み出せたのです。 頭のゴミを捨てることは、ゲシュタルト能力を高めるための行為です。 先入観、常識、感情、過去… これらはすべて抽象度を下げ、ゲシュタルト能力を制限します。 頭のゴミを捨てることで、本当のゴール、幸せにたどり着けるだけでなく、高いゲシュタルト能力をもって多くのものを世界に生み出せるようになります。

本屋大賞受賞作品をレビュー!すべての世代に読んでほしい。かがみの孤城|辻村深月

[caption id="attachment_193" align="alignnone" width="486"]かがみの孤城|辻村深月 かがみの孤城辻村深月|2018年本屋大賞受賞[/caption]

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

 

本屋大賞受賞作品は名作揃い

本題に入る前に「本屋大賞」について、少し話したいと思う。毎年4月に発表される本屋大賞。過去の受賞作品には『羊と鋼の森(宮下奈都)』や『鹿の王(上橋菜穂子)』、『海賊とよばれた男(百田尚樹)』、『舟を編む(三浦しをん)』など映画化もされた名著が並び、2018年は辻村深月さんの「かがみの孤城」が選ばれました。 僕は小説よりも歴史・ビジネス関連書籍を読むことが多いのですが、本屋大賞だけは毎年チェックして、数冊購入しています。 GraspMindでもこれからや過去の本屋大賞、大賞以外の受賞作品をたくさん紹介していくと思います。小説好きならチェックしている方も多いでしょうが、「あまり小説を読まない」「小説は大量にありすぎて選べない」という方はぜひチェックしてみてください。 本屋大賞には「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」というキャッチコピー、「売り場からベストセラーをつくる!」というコンセプトがついています。 本屋さんは間違いなく本のプロ。毎日数十~数百冊も出版される本を、限られたスペースに置くわけですから、審美眼は出版社や雑誌の編集者と比べても圧倒的でしょう。 今回は小説レビューの一冊目なので、作品の選定について触れてみました。 大賞以外の受賞作品もほんとうに素晴らしいものが多いです。GraspMindでもどんどん紹介していきますが、自分で本を選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。

こんな人に読んでほしい

本書を読んでみても、この記事を読んでみても、最初は子供向けのファンタジーだと感じるかもしれない。 確かに、子供向けのファンタジーです。どこかで読んだことがあるようなべたな設定で進んでいき、なんとなくオチも読めた気になります。 主人公が中学生の小説というと、その年代の子供か、その年代の子供がいる親世代が読むものがほとんどです。 でも、この本は子供とか大人とか関係なく、いろんな人に読んでほしい。だって、誰にだって「子供のころ」はあって、今日まで生き続けて「大人になった」から。もしくはこれから生き続けて「大人になる」から。

「学校に行けない」

本書の主人公は「こころ」。学校に行けなくなってしまった中学1年生の女の子。 (「学校に行けなくなってしまった」と書いてしまいましたが、最後まで読んだとき「なってしまった」とは言わなくなります。単に「行かなくなった」とだけ) 学校に行こうとすると”おなかが痛くなる”。よくある理由すぎて、こころの母親もちゃんとは理解してくれない。

「昨日までは平気だったんでしょ? (略) どうするの、行かないの?」

そうじゃない。行かないんじゃなくて”行けない” こころが行こうとしていたのは中学校ではなく、いわゆる「フリースクール」と呼ばれるもので、普通の学校に通えなくなった(ストレートに言うと「登校拒否」)子供が通う場所。 ”あの出来事”で行けなくなった「合併で大きくなり溶け込めない子もいる中学校」ではなく、同じような子供たちがいる少数のフリースクール。それでもいけない。 理解してくれない両親、中学校の担任である井田先生、毎日連絡物をポストに入れていくクラスメイトの東条萌、そして、フリースクール「心の教室」の喜多嶋先生。最初の数ページで、それぞれの登場人物との微妙な距離感が描かれています。 学校に行かない分勉強するわけでもないし、ゲーム機はお父さんに取り上げられた。ただテレビを眺め、ポストに連絡物を入れる東条さんをカーテンの隙間からこっそり見る。そんな毎日。 やけに光が顔に当たる。テレビを消してしまおうか? しかし、テレビはついていない。その日、こころの顔を照らしていたのは、部屋にある「鏡」の光だった。 まばゆく光る鏡に手を伸ばす。そこに鏡の感触はなく、水を押したような感覚で手が沈む。 次の瞬間、引力に引き込まれるようにこころは鏡の中に落ちていった。

7人の中学生と鏡の中の城

鏡の中にいたのはオオカミのお面をつけてお人形のようなドレスを着た小学生くらいの女の子。西洋の童話で見るようなお城。そして、こころと同じ年代の7人の子供。 オオカミのお面をつけた「オオカミさま」はいう。

「この城の奥には、誰も入れない、〝願いの部屋〟がある。入れるのは一人だけ。願いが叶うのは一人だけだ、赤ずきんちゃん」
「お前たちには今日から三月まで、この城の中で〝願いの部屋〟に入る鍵探しをしてもらう。見つけたヤツ一人だけが、扉を開けて願いを叶える権利がある。つまりは、〝願いの鍵〟探しだ。──理解したか?」

最初に説明されたルールは5つ。 ・鍵を見つければどんな願いもかなう。魔法を使いたいでも、ゲームの世界に入りたいでも ・鏡の中の城が開くのは3月30日まで(1年弱)。その日を超えると鍵は消滅し城にも来れない ・誰かが鍵を見つけて願いの部屋が開かれたらその日をもって城は閉じる ・城が開くのは日本時間の朝九時から夕方5時まで。その間なら鏡を通っていつでも城に来ることができる ・5時を超えたら家を変えること。もしも破ったらペナルティ「狼に食べられる」 ・ここに集まった7人以外は鏡を通って城には入れない。誰かと一緒にいるときに鏡を通ることはできない ・そして、誰かが願いをかなえた後、城での記憶はすべて消える(これは後で明らかになった) ここから、7人の中学生の”鍵探し”が始まる。

禅之助さんが書いた7人の絵を見ると、それぞれの個性がすごく出ています。 たぶん、読み始めるとすぐにどれが誰なのかわかるとおもいます。 7人の登場人物は スバル アキ こころ リオン マサムネ フウカ ウレシノ みんな、中学生くらいということを除いては共通点がなさそう。ゲームをいじっているマサムネ。少し不良っぽいアキ、ハッとさせらせるほど美形のリオン。でもこころは気づく。 「みんな、学校に行っていない」

友達、仲間、家族。学校、スクール、城

この物語はこの7人が”現実世界”と”かがみの城”を行ったり来たりして、「願いの鍵」探しが始まります。 と、思いきや全然鍵探しに精を出しません。城には個人の部屋がありますが、その中にこもって出てこない人もいれば、広間でゲームばかりしている人もいる。 こころは初日から2か月くらい一度も城に行かなかった。なんとなく1日行かなかったら、なんとなく行きづらくなってずるずると行かなくなってしまう。学校と同じように。 この時点ではだれも自分のことを詳しく語っていない。共通してわかっているのは苗字と学年だけ。 どこに住んでいるのか、どの学校に行っているのか。もちろん”なぜ学校に行っていないのか”はわかりません。 それでもわかってくることはたくさんある。 マサムネはゲームが好きで、知り合いにゲーム開発者がいて、最新のゲームを持っている。両親は公立の義務教育に否定的で学校に行かないことに寛容だ。 アキは姉御肌でつい”先輩”と呼んでしまう。気さくで面倒見がよくて、あこがれる。でも、学校のことは話したがらない。 ウレシノはとことん惚れっぽい。恋愛至上主義だ。アキのことを好きになって、気が付いたらこころのことが好きになって、ちょっとしたきっかけでフウカのことを好きになる。 リオンはいつも夕方になったらやってくる。ジャージ姿で、スポーツクラブにでも所属しているのだろうか。 フウカは少し苦手だ。言葉数が少なく、いつも一人でいて、たまに出す言葉が刺さる。 スバルはなんとなく個性がない。普通に友達を作って、普通にゲームをして遊んでいる。ある意味、学校に行っていないことが一番不思議だ。 そんな中、こころはアキとフウカに告白する。両親にも言っていなかった、学校に行けなくなった”あの出来事”を。

「偉い。よく、耐えた」

こういって頭を撫でてくれるアキと、何も言わずにハンカチを差し出すフウカ。 確かにここにいるみんなは”仲間”なのだろう。 こころの行動を不審に思う母親。言わなくてもいいことを言ってしまう母親。そして、想いを伝えられないこころ。 現実世界である家や学校ではなく、かがみの中の城に居場所ができてしまう。きっとみんなもそうなのだろう。だから、当初の”鍵探し”そっちのけで、特に目的もなく毎日集まっている。

明らかになる7人の共通項

7人の中学生が鏡の中にある不思議な城に集められた。そして、7人は学校に行っていない。 そうなると疑問に思うことが「どうしてこの7人なのか」と「なぜ学校に行っていないのか」だ。 しかし、7人はその2つの疑問になかなか踏み込まない。 張り巡らされた伏線が、手繰り寄せられるきっかけは何だっただろう。 たぶん、アキが制服姿で城にやってきた時だ。 全員がその姿を見て絶句した。 学校について聞かれることをいっそう嫌っていたアキが制服を着ていたからではない(制服はおばあちゃんのお葬式だったから来ていた)。 その制服が、マサムネやフウカやスバルが、そしてこころが通う「雪科第五中」のものだったからだ。 つまり、7人は全員同じ中学に通っていた。 こころとリオン、ウレシノが1年生。フウカとマサムネが2年生。スバルとアキが3年生。 そんなことがあるのだろうか。不思議な空間に集められた中学生が、全員同じ学校だなんて。同じ学校という共通項で集められたとしても、一つの中学に7人も投稿拒否の子供がいるだなんて。 聞きたいことはたくさんある。マサムネが”オオカミさま”を読んだ。 どうして黙っていたのかと問いただすマサムネに対し、オオカミさまは静かにいう。

「私が何か言わなければ、わからないほうがどうかしているだろう?赤ずきんちゃんたちが一言、お互いに話始めればよかっただけ。そうすれば、ああ、自分たちは同じ学校なんだってわかったはずだ。お前たちは時間がかかりすぎだな」

同じ学校に行っているなら、助け合えるかもしれない

同じ学校に通っていることが分かった後、マサムネがみんなにお願いをする。

「学校に、来てくれない? 一日。本当に、一日、だけでいいから」 「三学期から、オレ、親に、違う学校に行くことを考えろって、言われてて」 「最初の一日だけ。一日だけでいいんだ。その一日だけ言ったら、また理由をつけて休む。一日だけでも行けるなら、その間、親父たちは、ひとまず冬休みの間に転入の手続きをするの、やめるだろ?」 「ちょっと前から思ってたんだよ。なんで、オレたちがみんな、雪科第五中学から呼ばれているのか。それには、何か意味があるんじゃないかって。”オオカミさま”が意図してるかどうかはわかんないけど、少なくとも、オレたち、助け合えるんじゃないかって」

  ――助け合えるんじゃないかって―― この言葉がみんなの心に響く。 ずっと学校に行っていなかった7人(ハワイにある部屋から城に来ていることが判明したリオンを除く)は1月10日に登校することになった。

私は今日、学校に行く――んじゃない。 私は今日、友達に会いに行くんだ。 その場所がたまたま、学校なだけなんだ

  その日、こころは学校に行った。 昇降口で会いたくない人に会った。学校に行けなくなった原因を作ったあの人から、心無い手紙が下駄箱に入っていた。 でも、みんなに会える。そう思って保健室まで行った。

「マサムネ……くんです、二年生の。来てませんか」 「二年三組のフウカちゃんも来ていませんでしたか。三年生のスバル君やアキちゃんも――」 「じゃあ、一年生の嬉野君は?」

  「そんな生徒はいないけど」 保健室の先生は困惑してそういった。 現実世界では、絶対に会えないのだろうか。全部、妄想だったのだろうか。 しかし、思い返せば違和感がある会話が出てくる。 フウカが夏期講習でしばらく来れないことが話題になったとき、スバルが「夏期講習ってなに?」という。 ウレシノやこころが知っているフリースクールについて、アキは知らない。 アキやスバルが知っている「駅前のマック」について、フウカやこころは知らない。 近くで一番大きなショッピングモールの名前が違う。 マサムネは2年6組だというが、フウカの記憶では、2年は3組までしかない。 マサムネが「始業式だから」といいみんなで学校に行った1月10日は、始業式から1週間も後だった。

私たちは、助け合えない

ここからはどんどんネタバレが入ります。実際に読まれる方は注意。かがみの孤城はミステリー的な要素を持つ青春小説ですから、オチや伏線を知っていて読むのと知らずに富むのとでは全く印象が変わってきます。 ここまで紹介してきたように、こころと6人の中学生は、同じ学校に通っていることが分かった。しかし、同じ日に約束して学校に行っても誰にも会えなかった。みんなが嘘をついたわけじゃない。みんな学校に行ったのみ、みんな誰にも会えなかった。 それに、知っている世界が少しづつ違う。あるべきものがなかったり、ないものがあったり。 そんななか、ゲーム好きのマサムネが一つの結論を出す。

「オレたちはたぶん、パラレルワールドの住民同士何だと思う」 「オレたちは、”南東京市の雪科第五中学”っていう名前のゲームソフトの、それぞれが主人公。そのソフトが七本分あるわけ。で、誰かがプレイしてるそのソフトはもうそのデータ、そいつのものだとな?セーブデータはそれぞれ違って、主役は二人同時には存在できない。オレのデータはオレのもの。スバルのデータはスバルの、アキのデータはアキの」 「オレがプレイヤーの世界は、主人公は当然オレだから、他のやつらはいないし、アキやスバルが主人公のソフトには、オレは出てこない。他のやつの場合にもそう。一つのデータに主役は一人だけ。」 「同じソフトだから、似た世界に見えるけど、主人公が違うから起きる出来事や細かい要素はそれぞれに合わせて微調整されている。」
「オレたちは、助け合えない」

  だけど本当にそうなのか。読んでいて、少し疑問がわく。 かがみの世界でここまで通じ合えた7人。それぞれのトラウマを乗り越えて、学校に行った7人。中学生の、すごく感じやすい時期をもう半年以上も一緒に過ごしてきた7人。 現実世界で会えないなんて、救いがなさすぎる。 その疑問に答えるようにオオカミさまが言う。

「会えないとも、助け合えないとも私は言っていない。いい加減、自分で気づけ。考えろ。私に何でも教えてもらえると思うな。私は最初からヒントをずっと出している。鍵探しのヒントだって、十分すぎるほど毎回出している」

読み終わったときの爽快感。7人の関係性と重要人物の正体

結論から言うと、7人はパラレルワールドの住民ではなかった。それぞれ、”時間”がずれていた。 スバルは1985年から アキは1992年から こころとリオンは2006年から マサムネは2013年から フウカは2020年から ウレシノは2027年から それぞれ、全く違う時代から来ていた。 このことが分かった瞬間、頭に電気が走って涙が出てきた。この感覚は読んでみないとわからないと思う。 マサムネは”ホラムネ”と呼ばれていた。ゲームを開発している友人がいるといって、最新のゲームを自慢していたが、それも嘘だった。学校では嘘がばれて居場所をなくしていた。 そんなマサムネに、スバルが言う。

「僕、なろうか」 「目指すよ。今日から。”ゲームを作る人”。マサムネが『このゲーム作ったの、オレの友達』ってちゃんといえるように」 「だから、意地でもそれくらいは覚えたまま、鏡の向こうに帰るよ。約束する。だから、たとえ、僕やマサムネが忘れても、マサムネは嘘つきじゃない。ゲームを作ってる友達が、マサムネにはいるよ」

  この言葉は、すごい。 スバルがどんなに心優しいのか、この言葉で全部伝わる。 願いをかなえて城が閉じたら、みんなの記憶はなくなる。だったらこれまで一年間やってきたことは無意味だったのだろうか? 決してそんなことはない。記憶が消えても、なかったことになっても、何年も(スバルがウレシノと会えるのは30年以上たってからだ)会えなくても、これからも学校に行けなくても、 かがみの城での出来事は無意味なんかじゃない。そう思える言葉だった。 こころを助け、他にも多くの子供たちを助けてきたフリースクールの喜多崎晶子。 作中、大人の中では唯一こころの理解者であり、味方だった「喜多崎先生」は大人になったアキだった。 喜多崎先生が作中で口にする

「大丈夫だから、大人になって」

  という言葉がある。 これは、城が閉じるとき、こころがアキに送った言葉だ。 この言葉で多くの子供たちを助けてきた。 この本は子供とか大人とか関係なく、いろんな人に読んでほしいと最初に言った。 自分が中学生だった時を思い返してほしい。全く嫌なことがないなんてことはないはずだ。死にたいと思ったことも、本気でなかったとしてもあるだろう。 だからこそ、全員に言葉を贈りたい。 「大丈夫だから、大人になって」

著書プロフィール

つじむら・みづき 1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒。小学生から創作を開始し、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞。著書は他に『凍りのくじら』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『島はぼくらと』『ハケンアニメ!』『朝が来る』『東京會舘とわたし』等。153㌢、B型。